スワップサヤ取りの賞味期限
同じ通貨ペアの両建てで、リスクを抑えながら利益を生み出していく。
このスワップポイントサヤ取りは、一部の方には「万能の運用法」に見えるかもしれません。
でも、どんな運用法にも絶対はありません。
実際、運用開始した2010年頃には想定していなかったような事象が現実に起こり、短時間に大きな損失を出してしまった方も存在します。
参考記事:2019年 トルコリラ円クラッシュの教訓
こういうのは、数年に一度くらい起きます。天災と一緒で予測不能で忘れた頃にやってくきます。
なので、この基本部分の考え方は、しっかりと認識しておかねばなりません。
スワップサヤ取りの賞味期限
まず、この運用法は「いつまで出来るのか」あるいは「どういう状況で出来るのか」という部分をご理解ください。
先ほどのページの「FX業界の競争による恩恵」の部分です。
この運用法のアイデアは、私がFXを始めた2003年にすでにありました。
でも、出来ませんでした。
スプレッドが広すぎて、スワップポイントもどの口座でも売りと買いの差が大きすぎて、2口座でスワップポイント差のある組み合わせなどなかったからです。
2023年現在は、縮小する時期はあるものの、大体いつの時期でもスワップポイント差の開いた通貨ペアが存在しています。
とはいえ、これがいつまでも続くとは思わないようにしています。
例えば、為替運用の人気が無くなりFX業者の業績が悪くなって、FX口座が減っていく可能性も将来あるかもしれません。
そうなると、FX口座が減ることで、FX業者間の競争が減るため、スプレッド・スワップポイントの条件が悪化することになるかもしれません。
取引条件が悪化すれば、同じ通貨ペアの両建てでスワップポイント差が開くようなこともなくなります。
そうなったら、この運用法はできません。
そうしたら、私はこのスワップポイントサヤ取りから撤退するつもりです。
それまでは、しっかりと利益を頂いていくつもりです。
スワップサヤ取りがダメになった後の想定
でも、心配には及びません。
この運用技術は、他の投資分野にも応用がきくからです。
仮に、スワップポイント差が開かなくなって、この運用法がダメになっても、株式や仮想通貨やCFDなどで、何らかの形で活かせます
サヤ取りの考え方は、2010年になってできたものではなく、何百年もの歴史を持つ、運用法の一分野です。
一番古いのは日本の江戸時代の米相場だと言われています。
欧米でも「スプレッド取引」などと呼ばれて、様々な分野でサヤ取りは使われています。
私も、「NYダウー日経225サヤ取り」などの形で別のサヤ取り運用をしています。
サヤ取りといっても、リスクの取り方は様々です。
スワップポイントサヤ取りほど手堅いものは少ないものの、それに近い運用対象はいくらでも見つけられるのです。
例えば、運用状況をたまにしか公開していませんが、ナスダック100でのサヤ取り運用もやっています。
「ナスダック100現物株買いーナスダックCFD取引売り」
こういうサヤ取りです。
この仕掛けは、上げても下げても両建てポジション全体の損益はあまり変わりません。
でも、ナスダックCFD取引売りをすると、現在年間5%相当の金利相当額が毎日発生します。
サヤ取りの考え方を活用することで、5%を手堅く取ることが出来るようになります。
この詳細は、もう少し運用が固まってから紹介する予定です。
ここで言いたいことは、こういうことです。
このサヤ取りの考え方を身に着けておけば、一生有益な運用法として使えるはずです。
皆様の運用の参考に、少しでもなれば幸いです。