外貨預金はどこが有利なのか?
円安進行もあり、米ドルなどの外貨を保有する方が増えています。
長期的に円安となると想定するのであれば、自分の持っているお金も日本円のままよりも米ドルに両替する方が有利になります。
でも、外貨両替して米ドルにするだけでは物足りません。
外貨の米ドルを手元にそのままにしておいても増えないからです。
まずは、外貨預金などで外貨を減らさずに利息を受け取る形が無難だろうと思います。
私自身も、10年くらい前より、日本円預金はほとんどせずに、米ドル預金中心にしています。
株式を買ったりするという方法もあるのですが、リスクはかなり高いものとなります。
まずは、外貨預金のような低リスクの金融商品の使い方を覚えることから始めましょう。
外貨預金と同等のリスクで増やせる金融商品は大きく3つあります。
- 銀行の外貨預金
- 証券会社の外貨MMF
- FXを使ったスワップポイント運用
ここでは、それぞれの為替変動リスクをほぼ同じにして利回りなどを比較していきます。
どの運用が自分に合うかを検討する材料として頂ければ幸いです。
最終更新日:2024年9月2日
銀行の米ドル外貨預金 金利比較
1カ月 | 6カ月 | 1年 |
為替手数料( |
|
---|---|---|---|---|
みすほ銀行 | 0.01 | 0.01 | 0.01 | 2円 |
三井住友銀行 | 1.00 | 5.00 | 4.50 | 店頭2円・ネット1円 |
千葉銀行 | 0.01 | 0.50 | 0.50 | 店頭2円・ネット1円 |
ソニー銀行 | 3.00 | 5.00 | 4.70 | 4〜15銭*注2 |
住信SBI銀行 | 2.00 | 5.10 | 4.70 | 6銭 |
最新比較日:2024年9月2日
- 注1:日本円を米ドルに両替して外貨預金にして、その後日本円に戻したときの両方の為替手数料です。
- 注2:ソニー銀行は、会員ランクにより手数料が違います。
外貨預金の注意点
- 外貨預金は預金保険機構の対象外
- 外貨預金の為替差益が大きくなると確定申告が必要となる(総合課税の雑所得)
外貨預金は預金保険機構の対象外
外貨預金は、預金保険機構の保障対象外です。
日本円の普通預金や定期預金は一定額まで保障されているのですが、外貨預金は保障となっていません。
日本の銀行の預金は全て保障されている。
そう考えている方も多いので、ご注意くださいませ。
外貨預金 税金面での注意事項
外貨預金の利息の税金は、利息発生時に源泉徴収されます。
ただ、円安などによる為替利益は源泉徴収されませんので、一定額以上となった場合は、確定申告が必要となります。
一定額は、サラリーマンで他に雑所得がない場合は20万円で、専業主婦などは地方税の基礎控除35万円辺りが目安となります。
副収入や、他の投資収入があると合算されることもあるので、ご注意下さいませ。
外貨預金のメリット・デメリット
- 銀行が扱っているという安心感がある
- 円安時には利益が上乗せとなる
米ドル外貨MMF 証券会社比較
外貨MMFは、銀行の外貨預金に良く似た特徴を持ちます。
証券会社の扱う外貨預金と同じ感覚で預け入れられる金融商品で、預入期間がなく、いつでも解約もできるなどの自由性も高くなっています。
証券会社 | 利率 |
---|---|
野村証券(ノムラ) | 4.772% |
マネックス証券(ニッコウ) | 4.739% |
楽天証券 | 4.873% |
最新比較日:2024年9月2日
外貨MMFの特徴
- 少額資金から可能(各社数千円〜)
- 解約拘束期間なし(大口などで1カ月拘束ルールあり)
- 売買手数料無料
- 毎日分配・月末再投資
- 利息は毎日更新
- 日本円⇒米ドルの為替手数料は各社50銭前後
外貨MMFのメリット・デメリット
- 株式と損益通算が可能
- 基本的に確定申告の手間なし
- 預金保険機構などの保護は無し
外貨MMFは、源泉徴収ありの特定口座であれば、利息・為替差益ともに税金が自動的に清算されるので確定申告は基本的に不要です。
FXを使ったスワップポイント運用
FXを使って外貨預金と同じような預金のようにすることも可能です。
この方法は、「スワップ投資」とも呼ばれ、FX投資家の間では良く知られた手法でもあります。
スワップ投資は、リスクを自分で調整できます。
外貨預金と同じリスクにすることで、同様の効果が得られる形となります。
やり方は簡単です。
- 口座開設
- 外貨預金相当額を入金する(例:1ドル=150円で1万米ドルの外貨預金を想定しているのであれば、日本円で150万円入金)
- FXで米ドル円の買いポジション1万通貨を作る
- あとは、そのままにしておくだけ
こうしておくことで、1日経過するごとにスワップポイントを受取れます。
現在、米ドル円買いで受取・米ドル円売りで支払となります。
スワップポイントは、主に米国と日本の金利差で発生します。
とはいっても、競争などによりFX口座によって、スワップポイントには結構な差があります。
つまり、高いスワップポイントが受取れそうな口座で米ドル円の買いポジションを持てば、それだけ有利なスワップ投資が可能ということになります。
では、その利回りを計算してみましょう。
長期間米ドル円で高水準のスワップポイントを提供し続けている口座の代表格として「LIGHTFX」があります。
2024年6月13日の米ドル円スワップポイントは、1万通貨で230円です(本日の米ドル円値約156円)。
外貨預金と同じリスクにするのであれば、厳密には約156万円を入金します。この状況をレバレッジ1倍と呼びます。
スワップポイント水準が、1年間変わらないと仮定すると、以下のような計算となります。
- スワップポイント年間受取額:230円×365日=83,950円
- レバレッジ1倍での年間利回額83,950円÷156万円=5.38%
FXでのスワップ投資では、入金額を156万円よりも少なくすることができます。
入金額をFXでは「証拠金」と呼びます。
現実には、レバレッジ25倍までの取引ができるので、最低6.24万円くらいの入金をすれば米ドル円1万通貨の買いポジションが持てます。
でも、6万円とか10万円程度だと米ドル円が大きく動いた時には、損失が発生してポジションが強制的に切られてしまうリスクがあります。
少なくとも、外貨預金代わりにスワップ投資をするというのであれば、米ドル円が20円や30円動いたくらいで損失を出さねばならない状況は好ましくありません。
なので、外貨預金代わりという目的であれば、レバレッジは1〜3倍以内くらいが妥当だろうと思います。
参考までに、レバレッジ2倍・3倍での計算例も出させていただきます。
- レバレッジ2倍:口座入金額156万円÷2=78万円
- スワップポイント年間受取額:230円×365日=83,950円
- レバレッジ1倍での年間利回額83,950円÷78万円=10.76%
- レバレッジ3倍:口座入金額156万円÷3=52万円
- スワップポイント年間受取額:230円×365日=83,950円
- レバレッジ1倍での年間利回額83,950円÷52万円=16.14%
尚、スワップポイントは現実には毎日のように変動します。
ただ、金利水準が大きく動かねば、一定範囲内での変動に収まる傾向があるので、重要なのはぞの時点の政策金利水準ということになります。
FXでのスワップ投資で期待できる利回りを、まとめると以下のようになります。
- レバレッジ1倍での期待利回り:5.38%
- レバレッジ2倍での期待利回り:10.76%
- レバレッジ3倍での期待利回り:16.14%
これまで外貨預金中心だった方からみると、かなりの高利回りに見えるかもしれません。
でも、FX投資家の間では普通に使われている手法ですので、興味を持たれたら是非お試しくださいませ。
この運用でカギを握るのは、「米ドル円のスワップポイントの高いFX口座を使う事」です。
スワップポイントは、FX口座間で大きな差があります。
最新情報は、下記ページを参考にされて下さい。
毎日上下して順位もちょこちょこ入れ替わります。
長期的に、安定して高水準のスワップポイントを提供してくれている口座はこの2つです。
くりっく365、私は岡三証券を主力で使っています。