「ジュニアNISA+生命保険」インフレ時代の相続対策
相続対策は、若いうちから行うほうが選択肢も多く効果的にできます。ただ相続発生は10年・20年以上先となるためインフレによる物価上昇を考慮しておくことが重要です。
私も、贈与した資金が物価上昇とともに増えていくような形で、その影響を軽減できる金融商品を使っていきます。
ジュニアNISAと生命保険をインフレ対策を施して相続対策ともする予定です。その概略をまとめました。
インフレ時代に強い運用商品とは
ご存知の方も多いのですが、金融・投資系商品は、インフレ時代に強いものと弱いものに分かれます。
- インフレに強い:株・不動産など
- インフレに弱い:銀行預金・生命保険など
一般的にはこう言われています。無論、インフレに強いといってもどんな株でも不動産でも必ず上昇する訳ではありません。インフレに強いと言われているものは、変動性でリスクが大きい傾向にあります。運用成績が将来の成果に大きく関わってくるため、個人差が大きくでます。
逆に、インフレに弱い商品は、元本保証系が多く個人差がつかない傾向にあります。こういう「安全確実低利回り」はインフレ時代が到来したら要注意です。
所謂「安全確実」という言葉が合う金融商品ほど利回りも低いのでインフレには弱い傾向があるからです。特に、20年以上先をみて行う相続対策においては何で運用するかには十分に注意しなければなりません。
私が息子への贈与で利用予定の金融商品は「ジュニアNISA+生命保険」です。インフレに弱いと言われる生命保険ですが、商品によってはその欠点を補ってくれるものもありますので、大まかですが、ここで説明させて頂きます。
まずは、ジュニアNISAです。
ジュニアNISA
すでに、各証券会社のジュニアNISA関連ページでは子供や孫への贈与税対策として使おうという記事が沢山でています。
私もその流れで使う予定です。私が感じるジュニアNISAの大きなメリットは3つあります。
- 売却益に税金がかからない。
- 贈与として使えば円滑に家族に資産を移しやすい
- 20歳未満でも株式投資ができる
18歳までは基本的に引出しができないなどの制限があるため、後で家族のために使えるようにしようといったことはできません。あと面白いのは、小さい子供には継続管理勘定(ロールオーバー専用勘定)という制度があり、5年経過後も20歳まで非課税のまま配当金を1月1日において20歳である年の前年12月31日まで非課税の恩典を受けることが可能となっています。
これを利用すれば、高配当株を非課税でずっと保有していくという戦略も使えます。
ジュニアNISAは、18歳まで引出しできないということで自由度はかなり制限されますが、「子供の学費確保」という私の目的にとっては好都合です。私が息子のお金を使いたいと思っても手を出しにくい形にできるからです。
購入対象の株は、海外ETFの中から選ぶ予定です。日本と違い米国などでは名門企業といえども10年後に存在しているかどうかはわかりません。
多数の企業の株に分散投資するETFであれば、個別株で倒産するようなところがでても影響は限定されます。成長分野のETFを購入して長期保有していくことでインフレによる物価上昇分は株価上昇によって補っていくという目論見です。
どのETFを購入するかはまだ決めていません。
ジュニアNISAは、18歳までは引き出しができないため4歳の息子が引出しできるのは14年後となります。長い目でみてやっていきます。加入する生命保険はインフレ対策をかねて一工夫しています。
変額保険または外貨建て保険も検討
冒頭でも書きましたが、生命保険はインフレに弱い金融商品です。特に死亡保険金が固定したタイプは、インフレ時代に突入するとその影響を大きく受けます。
これに対応する方法があります。
「死亡保険金が変動するタイプ」を使う事です。
具体的な商品名でいくのであれば、「変額保険」あるいは「外貨建て保険」と呼ばれるものです。
変額保険は、運用成績により死亡保険金が増減するタイプです。仕組み通り、運用の巧拙でかなりの差がでるので運用の上手な会社選びが重要となります。
外貨建て保険は、死亡保険金を「米ドル」「ユーロ」などで設定するものです。死亡保険金を、日本円で600万円ではなく5万米ドルという形で契約することになります。
外貨としての死亡保険金額は、5万米ドルと固定されるのですが、死亡時までに円安が進行した場合には日本円での死亡保険金額は増加することになります。
5万米ドルという保険金額自体も増加するタイプもあります。
生命保険 2つの使い方
現在検討中の生命保険はこんな感じです。
- 積立系の生命保険に加入(終身保険を想定)
- 保険金 約600万円相当以上
- 保険料 年約35万円
- 払込期間 約10年くらい
- 保険金は運用成績により変動するタイプを使う予定
この生命保険は、私がもしも死亡すれば息子が600万円以上を受け取れる形となります。払い込んだ保険料額からいくと生命保険金額は少な目と感じるかもしれません。これは、掛け捨て部分が少ない終身保険系のものを100%使って作るからです。
こうすることで「死亡時の対策」と「生存時の対策」の2つに対応できます。
一番重要なのは「死亡時の対策」です。
息子が小さいうちに私が死亡するようなことがあれば死亡保険金である程度の学費を確保できます。贈与金の一部を保険料にしておくことで効率よくお金を増やせます。
- 毎年35万円×10年=350万円の保険料
- 死亡保険金:約600万円
350万円⇒600万円という感じになりますね。350万円を運用して10年くらいで確実に600万円まで増える金融商品って無いですよね。死亡保険金なのですが、支払と受取のバランスで見るとなかなか良いのです。
この生命保険は、私にとっては「死後の学資保険」でもあります。私が死亡しても息子の夢を叶えるための学問の道は閉ざさないために使います。でも、私は平均寿命までは30年くらいあるので息子が学校へ行くまでは頑張っていられる可能性の方が高いです。
その場合「生存時の対策」として使えます。
積立系保険なので15年くらい経過して解約すればかなりの解約返戻金があります。解約返戻金も運用によって変動するので確実ではないのですが、まあほどほどは期待できます。
私が長生きしてお金が必要となればこの解約返戻金を家族の生活費として使うこともできます。この終身保険は、生命保険としてだけでなく、一種の資産としても使える訳です。
私も、男性の平均寿命まであと30年くらいの年齢となりました。突然不幸な事態が起きてもおかしくはありません。お金を無理なく増やすのが私の得意技です。自分の死も資産増につなげることで最後まで家族に貢献したいと思っています。
そして死亡保険金もインフレに合わせて増えやすい形で加入予定です。
20〜30年後の日本
私が死亡する可能性の高くなる20〜30年後の日本では、2つの事象がかなりの確率で起きているでしょう。
- 「インフレがかなり進行して国内物価が大きく上昇している」
- 「円安ドル高もかなり進行している」
仮に今後のインフレ率が5%くらいになったとしてそれが30年間続いたとすれば、物価は4倍程度に上昇することになります。現在が異常なデフレ時代に慣れたたまめにこの辺はピンとこないかもしれませんが、過去の世界史のインフレ率からいけば平均5%というのは大袈裟な話ではありません。
物価が現在の4倍となれば死亡保険金600万円の30年後の実質価値は4分の1程度となります。こうなると死亡保険金が固定されている一般的なタイプの生命保険金では価値が大幅に下がってしまいます。
これらの対策のために先ほどの2つの保険を活用します。
- 死亡保険金を米ドルなど将来も強そうな通貨建てとする。
- 運用実績に応じて生命保険金が増える変額保険を活用する。
インフレが起こり、物価が4倍となったら保険金も4倍に増えるのが理想です。そこまでいかなくてもある程度増加してくれれば、相続対策の意味があります。
変額保険は、運用が悪化すると解約返戻金などが減ってしまうのですが、死亡保険金は基本的に減りません。死亡時のリスクをメインとして考えるのであれば、インフレ時代に強い生命保険として活用できます。
日本の場合、インフレと円安は同時進行する可能性が高いです。通常の生命保険は死亡保険金を日本円で契約していますので、この同時進行の影響をもろに受けます。
でも、死亡保険金を米ドル建てなど外貨で契約しておけば、円安の影響だけは軽減できます。大手生命保険では、外貨建て生命保険は扱っていないのですが外資系生保などで扱っているところがあります。
現実にどういった生命保険にするかはこれから決めます。