相続税制改正とアベノミクス 巧妙な仕掛けにビビる
10年20年先を見据えているかのような平成27年の相続税制改正、前回に続いてについて概要をまとめました。
インフレ時代に予想される変化
日本政府及び日銀が必死になって取り組んでいる方向性も大きな影響があります。アベノミクス成功は「インフレーションをもたらす」ことになるからです。
つまり、物価上昇です。物価上昇は日常品だけでなく不動産の値も引き上げることになります。人口減少時代とはいえ、交通の便の良いところに家を持って住んでいる方などは要注意です。今住んでいる土地や建物の価値が上昇することで、手元に現金が無くても相続税の対象となることが現実に起こるからです。
現在も土地持ちの方は納税資金がなく物納という形で相続税を払っていますが、将来はこの形式が私達庶民にも及びことになるかもしれません。
物納する土地は高値で国が買い取ってくれるわけではありません。安く買いたたかれるというのとも違うかもしれませんが、売主の希望通りの値で売れない事だけはほぼ確実です。
土地の値も、本格的な好景気となれば劇的に動きます。
参考:土地データ
日本全国の過去30年くらいの地価推移です。バブルの時代はそう簡単にはこないのですが、勢いがつけばどういう上がり方をするかの参考にはなります。
例えば、先日私が購入した中古住宅です。
私が購入したは土地50坪弱+建物35坪で2000万円もしません。土地の評価額が坪25〜30万円と言われている地域なので、土地だけだと1200〜1500万円くらいになります。これでも、20年ほど前までは1坪100万円で取引されていた場所です。つまり、当時は50坪で5000万円です。
変動幅は、為替以上ですね。
- 数年後に、東京オリンピックがあります。
- 政府のインフレーション推進政策は今度も続きます。
時代の流れ次第では、それなりに地価が上昇する可能性はあるかもしれません。昔のように「土地は上がり続ける」という土地神話時代は終わりましたが、それでも資産としての価格変動によって、保有資産が一気に膨らむことはあり得ます。
いずれ物価上昇が現実化すれば、こういう資産増加も起こり易くなります。
この資産増加を待ち伏せしているかのような改正が平成27年度に行われています。
巧妙な相続税率引上げ
それは、「相続税率改正」です。
国税庁:相続税の税率
税率引き上げの対象が2億円以上の人なので一般の方には一見関係ないような気もします。
実際、この税率は相続人一人あたりの税率なので子供が沢山いたりして相続人が多ければ一般の方はそれほど気にするほどではないかもしれません。
法定相続人が多ければ一人当たりの相続額が数億というレベルになる家庭は限られるからです
でも、これからは法定相続人が一人というケースも珍しくなくなります。実際、我が家はこのままであれば法定相続人は息子一人となります。
そして、インフレ時代がいずれ到来しますよね。
さらに、FXや投資でしっかりとお金も増えているはずですよね。
購入した不動産上昇の可能性も考慮すれば、FX投資家で2億円以上の資産を残す方は相当いるだろうと思われます。今回の税率上昇は、漁業の定置網のようなところがあります。
- 相続税のハードルを低くする
- 少子化を利用して課税対象を加速
- インフレによって資産価値を上げる
- 資産価値が大きくなってきたところで納税となる
こういう視点でみると、現時点では抵抗少なく受け入れられて将来的には税金収入を大幅に増加させられる巧妙な改正となっていると感じます。日本国民はしっかりと対策を取らねばなりませんね。
「少子化」「インフレ」「国家財政窮乏」
これらの要因が続く限り、今後も相続税の課税強化の流れは続くでしょう。
これは、恐ろしいことです。
FXにせよ株式にせよ、将来大きな資産を作ろうと思っているからこそ増やしたお金を家族に残すための相続対策をしておかねばならない時期に入ってきています。
FXで利益を出し続ける力量のある方であれば、平均寿命までには5000万円や1億円程度の資産は当然のように作れます。相続税率の上がった2億円以上というのも夢ではありません。
今は若くて「相続」という言葉がピンとこなくても、意識せざるを得ない時期になってからでは相続対策は手遅れとなってしまうかもしれません。
その前に手を打ちましょう。
といっても、劇的な相続対策のやり方はここでは書けませんし、専門家の領域ですので私ごときが説明するわけにはいきません。
次回以降、今年から私が始めた対策をご紹介します。