師匠の言葉を噛みしめる日々
ここのところ、自分のやり方が定着しつつある気がします。ポジションを持っても興奮することは少なく淡々と売買できていて、運用資金も徐々に増加しているからです。それとともに、私の師匠林輝太郎の言葉が改めて染みてくることもあります。偉大な師に一歩づつ近づいていきたいものです。
FX 専門を持つ2つの理由
私はこれまでウォ−ル街以外で利益を1ドルたりとも得たことがない。しかし、ウォール街から得た何百万ドルというお金を、他の投機的事業に投資しては失った。フロリダで買った不動産、油田、航空機製造業、そして新発明に基づいた製品の製造とマーケティングなどだ。私は1セント残らず失った。〜ジェシー・リバモア
米国の伝説トレーダーであるジェシー・リバモアの言葉です。
株式投資で大きな利益を出していたジェシー・リバモアですが、他の投資では何度も失敗していいたようです。
この事実は、私たちが投資運用をしていくうえでも重要なことを示してくれています。
「儲かりそうだからといって手を拡げすぎてはいけない」
私も時折、アパート経営など不動産投資をしたくなることがあります。「利回り10%」なんて広告をみるとマイナス運用もあるFXなどよりもアパート経営の方が魅力的に見えてしまうことがあるからです。
でも、今のところ不動産は自宅以外は所有していません。
師匠林輝太郎の言葉の中にも、「専門を持て」との教えがあります。「儲かりそうだ」と手を拡げていけば、短期的には儲かっても、いずれは管理できなくなり資金が回らなくなっていきます。
私は、FX・株・CFD取引と投資系分野は一通りやりますが、それ以外の分野には全く手を出しません。師匠の教えだけでなく、その失敗例も見ているからです。
私が、株を始めたのは日本のバブル絶頂期と呼ばれた1980年代後半です。その頃は、「不動産投資と株式投資の両方を借金でやる」というのはよくあるパターンでした。昔から「借金で株をやってはいけない」という戒めがあるのですが、そんな言葉が飛んでしまうくらい夢中になっていた時代です。
そのパーターンでやっていた人は、その後のバブル崩壊でほぼ100%潰れてしまいました。私が勤めていた証券会社でもかなりの大口投資家が消えていきました。
その一方で、生き残り投資を続けていた人達がいます。私のお客様にはなってもらえませんでしたが、飛び込み営業先で知り合った不動産会社社長さんなどは「俺は不動産のみで株はやらん」と言い続け、不動産価格が下落していく中でも新たな不動産を購入するなどしていました。
バブル崩壊の時代は、不動産でも株式でも大損する人が相次ぎ自殺者や破産者が大量発生しています。その中でも生きのびていった人達は、ほぼ例外なくバブル相場を少し離れてみていた人々だったという気がします。
専門をもつもう一つの理由
師匠の「専門を持て」という言葉の意味は2つあります。一つは前述した「失敗を防ぐ」ということ、もう一つは「運用技術を磨く」ということです。
専門を持ってその運用法に注力していくことで運用技術が磨かれます。運用技術が磨かれれば、それは利益も増えていきます。
私の主力投資法「サヤすべり取り」はその典型なのですが、最近感じるのは「スワップポイントサヤ取り(異業者両建)」もそうかもしれないということです。
両建てによってリスクを抑えながら、業者間のスワップポイント差を利益に変えていく運用法で、一見運用技術なんて関係ない気もします。でも、こういう誰でもできる運用法でも「仕掛け方のコツを身に着ける」とか「マメなスワップポイント確認作業」や「各業者の特徴を抑える」ことでより手堅く利益を出せるようになります。
これらは、運用技術なんで大袈裟なものではないのですが、それでも日々続けていくことでいろんな事が見えてくるようにもなります。
ここのところスワップポイントサヤ取りは、各通貨の業者間スワップポイントが縮小気味でやりにくくなっています。それでも、私のスワップポイントサヤ取りポジションは、月3〜5万円程度は利益を出してくれています。
いつもよりは少な目ですが、今はこれで満足です。低リスク故にスワップポイントサヤ取りは、ここのところ人気がでていました。人気が出ている時期は、妙味が少ないこともあるのですが、いずれまたチャンスは訪れます。
チャンスが訪れたらしっかりと仕掛けていきます。