米ドル円本当に下落 米ドル円三方良し戦略最初の試練訪れる。
米ドル円が動き出しています。FXオプションで仕掛けてある米ドル円三方よし戦略の状況についてまとめました。
「上がって良し」「下がって良し」「動かなくて良し」の想定通りになっているかどうか確認していきます。
米ドル円が本当に下がったけれど大丈夫?
そんな心配されている方もいるかもしれませんね。
今回、「米ドル円三方良し戦略」の記事を始めて読まれる方は、目次の「米ドル円三方よし戦略 概略」からお読みになってください。
5月9日 米ドル円が本当に下がったけれど大丈夫か?
5月9日時点、米ドル円下落とともに2本の米ドル円プットオプション売り10万通貨のポジションの状況も変化してきています。。
画像では読みにくいところもあると思うので、収支推移を表にまとめていきます。
まず、2本のポジションの基本情報です。
- 運用通貨ペア:米ドル円
- FXオプション:プットオプション売り
- 保有数量:かくポジション10万通貨
- 米ドル円現在値:111.61円
ポジション分類 | 権利行使価格 | 権利行使日 | 約定値 |
---|---|---|---|
ポジションA | 110.00円 | 9月4日 | 2.35 |
ポジションB | 111.00円 | 10月9日 | 2.046 |
補足すると、このポジションの最大利益は(2.35+2.046)×10万通貨=439,600円です。
この2ポジションの現在収支がこうなっています。
ポジション分類 | 現在値 | 損益 |
---|---|---|
ポジションA | 2.151 | 20,600円 |
ポジションB | 3.187 | -114,100円 |
合計 | -93,500円 |
総合収支が含み損となっています。
米ドル円プットオプション売りポジションは、「米ドル円下げの時には含み損が増加」し「米ドル円上げの時には含み益が増加する」という特徴があります。
この特徴自体は、単純な米ドル円買いポジションと同じです。
違うのは、下げ相場の時の含み損増加ペースです。
同じ数量の米ドル円ポジションでも、下げ相場の含み損増加ペースがFXオプションの方が緩くなるのです。
これは、前回からの「米ドル円変動」と「FXオプション損益推移」を比較するとわかります。
月日 | 米ドル円値 | 含み損益 |
---|---|---|
4月29日 | 111.61円 | 90,500円 |
5月9日 | 110.06円 | -93,500円 |
参考記事:4月29日 米ドル円三方よし戦略状況記事
4月29日と5月9日の含み損益推移をご覧ください。
含み益90.500円⇒―93,500円ですので、合計184,000円の収支悪化です。米ドル円が111.61⇒110.06で1.56円下落したため、含み損益のバランスが悪くなっています。
保有しているポジションは、米ドル円プットオプション売り10万通貨×2本=20万通貨売りです。これは、FXポジションでは米ドル円買いポジション20万通貨とほぼ同等のリスクがあります。
米ドル円買いポジションを保有していて、この為替変動だったときの収支悪化額も計算してみましょう。
- 20万通貨×1.56円=312,000円の収支悪化
つまり・・・
米ドル円で20万通貨保有していれば312,000円の収支悪化だった。
これが、FXオプションで20万通貨保有という形にすることで・・・・
収支悪化は184,000円で済んだ。
・・・ということになります。
まあ、含み損増加で比較しているので「どっちにしても損しているじゃないか!」という感想を持つ方も多いと思います。
私の場合、超長期視点で米ドル円買いポジションを保有し続けています。
どのような下げでも損きりせずに保有し続ける方針です。でも、下落時の含み損増加はやはり嫌なものです。
なので、下落時の含み損を少なくできているという現実は有難いことです。
このまま9月・10月のオプション権利行使期日になれば、プレミアム439,600円の受取をしたうえで110円・111円で米ドル円買いポジション10万通貨が発生します。
このFXオプションポジションは、もともとFX口座で112円台の米ドル円買いポジションを決済して作ったものです。米ドル円がこのまま円高気味に推移してくれれば、「プレミアム439,600円の受取+安値で米ドル円買いポジション作り直し」が出来てしまうことにもなります。
FXオプションを活用することで、こんなことが比較的手軽にできます。
この戦略の概略は、下記にまとめています。
米ドル円三方よし戦略 概略
この米ドル円三方よし戦略は以下の特徴があります。
- 米ドル円が上がってよし
- 米ドル円が下がってもよし
- 米ドル円が動かなくてもよし
米ドル円相場がどのように動いても、自分にとっては良い結果になる予定のポジションです。
伊藤忠商事の経営理念などで有名な近江商人の「三方よし」にあやかり、「米ドル円三方よし戦略」と呼ぶことにします。
FXオプションを使うことで、これが可能になります。今回の戦略は、以下のような方に有効です。
- 長期的には円安になるだろうとみている。
- でも、短期的には円高もありそうだ。
- 円高時に米ドル円買いポジションを有利な値でつくりたい。
- もしくは、このまま円安になっても利益をとりたい。
こう考えている方には、米ドル円がどのように動いても三方よしとなるのが今回の戦略です。
こう考えていない方には、三方よしになるとは限らないかもしれないのでご注意ください。
日米の経済成長格差を見る限り、一時的には円高傾向となっても、長期的には円安傾向になるのが自然だろうと私はみています。
米ドル円買いポジションを持ち続ければ長期的に問題はないと思っています。でも、超長期保有というのはそれなりのリスクも取り続けないといけません。
出来るならば「買いポジションを米ドル円が下がったところで作っておきたい」という気持ちもあります。今回の「米ドル円三方よし戦略」でそれができるかもしれません。
やり方は簡単です。
米ドル円のプットオプション売りを長期保有するだけです。
米ドル円プットオプション売りは以下のような性質を持ちます。「売り」の性質上、オプション値が上がれば損失・下がれば利益となります。
- 期日までは、米ドル円上げなら下がり(利益増あるいは損失減))、米ドル円下げなら上がる(利益減あるいは損失増)。
- 日数が経てば時間的価値減少とともに下がりやすい(利益増または損失減)。
- 利益が取りやすいものの利益上限は限定される。
- 大きな円高となれば、相応の含み損となる。
- 米ドル円が期日に権利行使価格よりも上がればプレミアム分の利益を受け取れる。
- 米ドル円が期日に権利行使価格よりも下がればプレミアム分の利益を受け取って買いポジションが発生する。
つまり、「米ドル円三方よし戦略」に合わせて表現しなおすとこうなります。
- 上げてよし:単純に利益」となります。
- 下げてよし:利益+現在値よりも安値で米ドル円買いポジションを保有できます。
- 動かなくてよし:時間的価値減少により利益が増え易くなります。
なんか・・・・本当にそうなるの?・・・・って感じですよね(笑)。
どうなるかは、今後の状況でお見せしていきます。
尚、要注意は下げ相場です。
米ドル円プットオプション売りは、米ドル円買いポジションと同じ宿命を負います。つまり、米ドル円下げ相場では含み損となるということです。
この含み損も、現在値で米ドル円買いポジションを作ったよりは少なくて済むのですが、10円・20円の円高となればそれなりの含み損となりえます。
このリスクは、資金管理や損きりで臨機応変に対応していきます。
この戦略での大切な条件は、プットオプション売りの権利行使価格を現在値よりも安値を選ぶことです。
こうすることで短期的に円高になりそうだと思ったときには、「現在値よりも安値で米ドル円買いポジションを作る布石」としてFXオプションが使えることになります。
まあ、この説明は実際にポジションを作って、その推移を見ていかないとわからない部分もあります。
今後も、この戦略で作ったポジション状況をお見せしながら、解説させていただきますので、参考になれば幸いです。
今後の方針
今後の売買予定は、米ドル円の値動きによってわかれます。
米ドル円がここから上昇する場合は、現状の含み損がd含み益に転換してくることになります。やることは何もなく、現状ポジションそのままでいきます。
現状水準のままで下値不安が少なくなってきたと判断できる状況であれば、あと10万通貨ポジションを増やす可能性があります。
米ドル円が5円以上下落するような状況となっても、基本方針として20万通貨のプットオプション売りは維持するつもりです。
この元になったポジションは、90台後半の円高相場に耐えきった米ドル円買いポジションです。
FXオプションの特徴上、5円を超えるような変動になると、含み損を減らせる効果は弱まっていきます。
それでも、これまでの効果は残るので、単純にFXで買いポジションを保有するよりは含み損が少なくて済みます。
こんな感じで、大きな米ドル円下落があっても余裕資金をきっちり維持したまま、含み損が減らせる効果を享受して乗り切っていく予定です。
この方針どおりにいくかどうか、今後も実際のポジション推移でお見せしてまいります。
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