FXチャートの見方・付き合い方 2018
FXチャートをどう見ればよいのかという質問をたまに受けます。自分でもうまく説明できないところでもあるのですが、私がサヤすべり取りの売買判断で常日頃から気にしていることを書かせて頂きます。
「過去に頼らず 未来を過信せず」
罫線はあくまでも過去を語っているにすぎず、未来の構想を大きく語っているものではない。〜木佐森吉太郎
罫線=チャートとの付き合い方を考えるうえで最適な相場格言です。
チャート分析で過去の値動きを分析したりすることは、有意義なことです。大いに勉強にもなります。
でも、それはどこまでいっても過去のものにすぎないということを忘れてはいけません。
歴史は繰り返す、されど全く同じ歴史は繰り返さない。
歴史の教訓から学ぶことは大切でも、それを未来にそのまま当てはめてはいけないのと同意でもあります。
罫線分析をして、そこから未来を的確に予知することはできません。
その一方で、運用成果を出し続けられるようになったトレーダーは必ずといって良いほど「定番として使っているチャート」があります。勝ち続ける投資家の多くは、使うテクニカル分析パターンや時間軸はほぼ固定していることも多いものです。
私の場合は、毎日記入する日足の折れ線グラフです。
豪ドル手書きグラフで定期的に記事にまとめたりもしています。
毎日2mmずつ点を打って、線で繋いでいく単純な折れ線グラフです。
このグラフの役割は、「大きな流れをみること」です。
私は、FXの裁量トレードで使うチャートはこの手書きグラフだけです。
他には使いません。綺麗なFXチャートや数十もあるテクニカル分析なども完全に無視です。
こう書くと、「そんなんで売買判断が出来るとは思えない」という反論を頂くこともあります。でも、問題ないんです。
反論とともに「どうやって相場見通しをつけるのか」「下値メド」「上値メド」そんな目安をどうやって見つけるのか、そんな質問も定番パターンです。
私は、そういう質問を頂くと真面目にこう答えるのです。
経験したことがないのでちょっと違うかもしれませんが、宇宙空間に漂う宇宙飛行士のような感覚です。重力の中を漂っているような感じです。無重量空間だから、一方に動き出すとどんどん進んでいく。上に上がればどこまで上がるかわからない。下に下げだせばどこまで下がるかわからない。いつも、そんな気持ちで相場を見ています。
直接会った方に、こんなことを言うとほとんどの方がビックリした顔をされます。
そして、半分くらいの方はその後の言葉が暫く出てこないんです。
そりゃあそうですよね。あまりにも例え方が突飛ですもんね。私が逆の立場でも次の言葉はなかなか出てこないでしょう。
でもですね。中にはスルドイ方もいるんです。
「そんな状況で売買注文を出すなんて怖くてできない」
こういう事を言われると、「我が意を得たり」という気持ちになったりもします。
そうなんです。
相場って、本当はとっても怖いものなんです。
チャートをみながら線とか引いて、上値メドとか下値メドとか示すことの効能の一つは「安心したい」ということでもあります。
でも、その安心ってあまり役に立たないのは多くの方がご存知のとおりです。
定期的に起きる大暴落などでは、それまでの下値ラインなんて簡単に突き抜けてしまうからです。
突き抜けてしまった後に、「過去のチャートを見れば次はここが抵抗線だ」なんて話になるんですけど、それも安心したいという気持ちを満足させるために次の見通しを出しているという部分があります。
投資家にとって、安心っていうのは大切なところなのですが、同時に油断も生み出します。
何年かうまくいくと、「この下値メドは絶対大丈夫なんて思うようになるからです。
それがどれほどあてにならないかは、ご経験済みの方も多いと思います。
だから、私はそういう「下値メド」「上値メド」あるいは「抵抗線」などというものは考えないんです。
え?
それで怖くないかって?
正直書きますけど、怖いですよ。
だからこそ、油断せずに済みます。
本当に怖いからこそ、あまり無理もしません。
手書きグラフなどを書いていて考えることは一つだけです。
「大きな流れに乗ろう」
FXにおける為替相場は、勢いがつけばどこまでも上がりますし、逆に勢いがつけばどこまでも下がります。その勢いがどこにあるのかだけを見ていて、流れが出来たと判断したところで乗ることだけを心掛けていきます。これを心掛けて、私は株式・商品先物・FXを手掛けて成果をだしてきました。
これからも、こんな感じでやっていくつもりです。やるべきことは、1日1分の場帳・グラフ記入だけです。これで、大きな流れを感じ取りながら、ポジションを乗せていくという日々を続けています。