負けを認められるFXトレーダーが勝てる理由
10年・20年とFXの世界で生き残っていくために絶対に必要なことがあります。それは「負けを認められる」ということです。この言葉、誰もが「そんなの知っている」と答えるでしょう。
でも、これを行動で示せる方は少ないのが現実です。
頭で理解することは簡単でも、負けを認めて撤退することはなかなかできないものです。今回は、「負けを認める大切さ」と「行動に移す方法」を記事にまとめさせていただきます。
誰もが百戦百勝を目指す
プロは誰もが百戦百勝を目指す。しかし、全ての試合に勝ったプロ棋士など一人もいない。誰もが必死に練習し、あるいは研究するだけだから、当然である。〜米長邦雄
将棋に限らずスポーツでも、プロのリーグ戦などでまったく負けずに優勝というケースはまずありません。勝負の世界では、誰もが必死に己を磨きながら戦い続けています。
プロは、毎回全力を挙げて勝とうとします。しかし、結果は勝ったり負けたりということになります。
FXも同じです。
でも、スポーツは勝敗がきっちりわかるからよい。FXは含み損=負けではなく、負けを断言するのが難しい。
そんな反論もあるかもしれません。
その点、FXは将棋に近いのかもしれません。将棋は、ほとんどの勝負で最後まで行く前に敗者が「まいりました」と負けを認めるのが普通です。
全力を尽くして最後の最後まであがいて大逆転できるかどうか、そこまで読み込んでも勝てないと判断したときに「まいりました」の一言が出ます。
FXで途中でポジション操作がおかしくなったときなどに負けを認めるべきかどうかを考え抜くときと似ています。私も「これはダメだ」と判断したときには、将棋の「まいりました」と同様に損きり撤退をすることにしています。
FXで百戦百勝はない。
負けたと判断したときに負けを素直に認められるか。
FXに参加する投資家が理解しておかねばならない部分です。
頭では誰でも理解しているんですよね。
でも、実行できない。
実行しようと思っても、大きな壁にぶつかります。
どうやったら、負けかどうかわかるのか?
ぼんやりと「負け」かどうかとわかるのでは、なかなか撤退も出来ないものです。撤退してその後相場が好転すれば「失敗した」という気分にもなります。撤退が正解だったり失敗だったりと繰り返しているうちに、だんだんと「どうでもいいや」という気持ちにもなりかねません。
検証するための一つの方法は「日々の勉強のートの活用」です。
FX用の勉強ノートは皆さん既にお持ちのことでしょう。
書いてある内容は、人それぞれです。
私のような中長期投資中心の投資家の場合、勉強ノートを使って「今回の仕掛けが負けかどうか」を確認するのは比較的簡単にできます。
以下のような手順で行います。
- 新規仕掛けの時に「今回の大まかな運用方針を書く」
- 気持ちに変化がある度に勉強ノートに書いていく。
- ポジション操作がおかしくなってきたと感じたときに勉強ノートを見直す。
- 当初予定の流れでできているのであれば良し、出来ていないのであれば修正可能かどうか検討する。
- 修正できない状況で「マズイ」と判断したときは「負け」
一つの事例で書くと、こんな流れです。
私の場合、「豪ドル円下げ転換の模様、ここから売りで攻める。20万通貨で3分割予定」という具合に書きます。
下げ相場がどこまで続くかの予想などは書きません。書いてもそれは予想にすぎず、全体の流れでいかようにも変化するものだからです。
大きな流れを意識しながらポジション操作をしていくに従い、相場の感じ方に変化がでてきます。
本日、10万通貨売りのせ。20万通貨を売る度胸は無かった。
下げ相場は初期から二段目に入った模様。まだいけそうだ。
ポジション操作がおかしくなってきたと感じる時というのは様々な場面があります。私の場合によくあるのだけ羅列してみます。
- 下げ相場を判断して売っているのに利益の伸びが少ない。
- 現在の為替相場レートが気になってしょうがない。
- 想定通りにいっているはずなのに、胸騒ぎがする。
一番最初は説明不要だと思いますので割愛させていただきます。
2番目の「現在の為替相場レートが気になってしょうがない。」というのは、理解できない方もいるかもしれません。
私は、基本ルールとして「日中為替相場はみない」というものを設定しています。大きな流れで売買する以上、その日の上げ下げをみてもしょうがないというのがこのルールの意味です。
なので、ブログやメルマガを書くときに為替相場をみることはあってもその値動きをジーとみることはしません。
でもですね。
たまに見たくなるときがあるのです。それは、決まって「現在のポジションに自信が持てなくなっているような時」なのです。あるいは「自分の能力以上の大きなポジションを保有しているとき」にもあります。
3番目の「想定通りにいっているはずなのに、胸騒ぎがする。」というのも似たようなところがあります。
こういう時には、その胸騒ぎや為替相場が気になってしまう理由をしっかりと考えるようにしています、
勉強ノートを見直して、当初の運用方針やその後の流れをみてそこからどのよいうにズレているのかなどをみたりします。心理的にゆったりとしているときの方針は概ね正しいことが多く、途中で欲を出したりしてポジションを大きく増やしたことなどは失敗の原因となっていることも多いものです。
勉強ノートをみながら、自分の心の中を整理します。
そして、当初予定の流れでできているのであれば良し、出来ていないのであれば修正可能かどうか検討します。
もしも、修正できない状況で「マズイ」と判断したときは「負け」を認めて撤退します。
私も、昔は「負け」を認めることが出来ずに損失をどんどん膨らませていくタイプでした。
こういう流れでやるようになって、段々と負けを素直に認められるようになってきました。皆さんに合うかどうかはわかりませんが、少しでも参考になれば幸いです。
今日も日々1分の場帳・グラフ記入をしながら売買を続けています。