売り方で気を引き締めたいときに読む記事
私は、現在豪ドル円の売りポジションが増えている状況です。昔の言葉を借りれば、豪ドル円売買では「売り方」にいるということになります。売り方は、スワップポイントがマイナスというだけでもプレッシャーが大きい立場でもあり、気を抜き訳にはいきません。含み益が増えて、ちょっと気持ちが緩みがち時に、気を引き締めるために読みたい記事を書いてみました。
「売りの山種」が売りで破滅寸前になった話
山崎種二は、売り方で圧倒的な強さを見せたため「売りの山種」とも呼ばれていました。しかし、その山崎種二も万能ではなく、売りで破産寸前に追い詰められたときがあります。
昭和35年、山崎種二は当時東京で二番目の自動エレベータを備えた本社ビルを完成させる。
一方、高級住宅地の麹町に総檜作りの豪邸を新築、それは近所の人々からは「三番町御殿」と呼ばれるほど豪華な作りだったそうです。
山崎種二はこの後、「自分の資産の売りヘッジ」を始めます。
資産のヘッジのために行ったのが、新東(東京株式取引所株)などの売りでした。
不景気になれば、株は下がり不動産も下がります。株を売っておくことで、自分の土地・家屋などの資産を守っていくという目論見でした。
自伝「そろばん」では、当時のことをこう書いています。
「私は、新東・新鐘(鐘紡新株)を中心に売り始めた。手持ちの雑株、そして新築のビルと自宅という資産の保険ツナギとして売りつないだ」
この考え方と行動は、流石「売りの山種」と唸らせるものがあります。
ところが、好事魔多し。
この売りヘツジは、大きく裏目にでます。
下がるとみていた株価が、エチオピア戦争勃発により高騰を開始したためです。
「遠くの戦争は買い」の相場格言どおり、相場は大きく上げていきます。
山崎種二は、売りヘッジが巨大なものとなって、押しつぶされそうになっていました。
2月24日には、絶対絶命のところまでいったのです。
普通の人であれば、ここで破綻して終わりだったでしょう。
しかし、この時の山崎種二には運の神様も味方していました。
2月26日に、歴史上有名な「2・26事件」が起きます。
株式相場は、一旦立会中止となり、3月10日の再開からは大暴落となります。
決局、破綻寸前だった山崎種二はこの大暴落で現在価値50億円相当の大儲けをしたそうです。
あまりのタイミングの良さに「山ア種二は、2・26事件を裏で繋がっている」と疑いをもたれて逮捕までされています。これは無実放免となっています。
山ア種二の戦歴をみると、ほとんどは緻密な作戦と運用力で勝利しています。
しかしながら、この時の売りヘッジだけは「運のおかげで勝てた」というものでした。
私も売りで攻めるのは好きなほうです。「売り方」も調子に乗ってくると知らず知らずのうちにポジションが大きくなったりするものです。山ア種二の話を復習しながら、ほどほどのところで利益確定して逃げられるようここからの豪ドル円攻略をやっていく所存です。
最終損きりになってもよしという気持ちでやっていきます。