FXトレードでの理想の境地
FXトレードでは理想とされる「正しい心構え」があります。これがどのようなものか実感がわかない方もいるのですが、実はすでに経験済みという方も多かったりします。今回は、その辺から話を始めさせていただきます。
FXトレードでの正しい心構えとは
正しい姿勢は、分析や戦術よりも相対的に良い結果を生む。正しい姿勢(正しい心構え)を習得すれば、トレードに関するその他すべてが、比較的楽に、そして間違いなくもっと楽しくなるからである。この論理を信じられない読者の方もいるだろう。興味深いことに、トレード経験に乏しい初心者は、たいていこの理想とする思考法に近い。これは、初心者がトレードに内在する危険性を非現実的なものとしてとらえているからだ。〜マーク・ダグラス
米国でも日本でも成功するトレーダーについての心理状態は同じ認識のようです。
自信過剰のトレードも恐怖心一杯のトレードのどちらも、良い結果には繋がりません。もっとも理想とされるのは、恐怖心がない無心の精神状態です。
興味深いことに、この無心の精神状態はFXを始めたばかりの方が無意識に実行している状況に似ています。
FXを始めてすぐに大きく勝ち続ける方は結構います。この方達は、まだFXで大きな損失もなく恐怖心は持っていません。また、始めたばかりで過剰な自信もありません。
これが、トレードにとっては良い結果をもたらしてくれることがあります。
ただ、直感的に行動し反応していく。選択肢は検討しない。結果は気にしない。悩まない。ただその瞬間に「するだけ」なのだ。やるべきことを、そのとおりにやっていく。
この心理状態は、好機と見れば躊躇なく注文を出すため、タイミングもよく流れに合えば一気に資産を増やしていくことになるのです。
当然ながら、この初心者の快進撃は、それほど長くは続きません。一回の大きなつまづきでこの好循環は崩れだします。
利益を大きく出せるようになったトレーダーも、同様の精神状態にあります。違いは、「本当の恐怖を経験しているかどうか」という部分です。
大損失などで大きな恐怖を味わえば、恐怖心を持たない無心の精神状態を普通に保つことは出来なくなります。その後に訓練を積むことで、トレーダーは恐怖心を持たない無心の精神状態に改めて到達することになります。
師匠林輝太郎の経験談より
この境地への到達については、師匠林輝太郎の著書「株式成功の基礎」の中にもあります。
林輝太郎氏が赤いダイヤ事件の大勝負で大きな損失を被った後に、小資金で基礎練習から出直したときの話です。損きりや分割が淡々と出来るようになって「自分は上達したのだ」と自覚したときの話です。
この後、師匠林輝太郎は、大きな失敗をしてしまいます。これを著書ではこう書いています。
「損きりを淡々と出来るようになった」と思っているうちは淡々としていない、というのは本当だった。ストップ安を3回もしたのだから少しは戻るだろう。そうしたら切ろう、と思ったのだ。
結局、このポジションはその後少し膠着してから更にストップ安に突入したため、アシ(不足金)を出す大損となります。
FXに置き換えれば、強制ロスカットされて更にマイナスが発生したような状況です。
師匠が苦労したからといって誰もが苦労するものでもありません。弟子の中にはこの境地にすんなりと入っていったと思われる方もいます。
私自身、少しは上達したのかなと思う時もあります。それでも、「無心の境地に入っているなと思っているうちはまだまだなのだ」と自分に言い聞かせています。もしかすると、こう自分に言い聞かせ続けることが大きな失敗をしないようになった大きな要因なのかもしれません。
私たちのやっている日々の作業は1分程度です。心を平静に保ち、日々の売買を続けています。