全く同じ売買をして損益が違うのはなぜか?

トラリピを使ったナスダック100運用の連載です。

 

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 くりっく株365の仕組みの続きです。

 

 今回は、現物取引と差金決済取引の違いについてです。

 

 米国株で同じ銘柄を同じタイミングで売買しているのに「損している
 人」と「利益が出た人」に分かれているってご存じですか?

 

 これ、事実なんです。

 

 そのカラクリを今回記事後半でまとめています。

 

★ 差金決済取引

 

 相場の取引方法には大きく2つあります。

 

 ・現物取引
 ・差金決済取引

 

 現物取引は、株式口座での現物株売買のように売買のたびに現物の
 受渡が生じるものをいいます。

 

 普段のコンビニの買い物も現物取引のようなものです。

 

 強吉  :(;一_一)

 

 コンビニで儲けたりできるの?

 

 キヨヒサ:(・_・;)

 

 いや、そういう意味ではないんだけど・・・

 

 弱美  :(・_・;)

 

 例えが、悪かったようだわね。

 

 ・・・そのようです。

 

 でも、先に進みましょう!

 

 現物取引では、売買してから受渡というものがあるため現金を引き
 出せるようになるまでに日数がかかります。

 

 これに対して、売買で現物のやり取りがされずに、売買の差額だけ
 を清算する方法が差金決済取引です。

 

 差金決済では、現物のやり取りはされずに「売りと買いの差額」だ
 けが清算されます。

 

 現物取引のように受渡という工程がなく、差金決済は決済した翌日
 〜翌々日には証拠金の引き出しができます。

 

 くりっく株365の場合、翌営業日か翌々営業日となっています。

 

 こう書いていくと、現物取引と差金決済で大きな差がでないような
 気もするかもしれません。

 

 でも、たまに大きな差がでることがあります。

 

 実は、今年2022年がその年でした。

 

 今年、米国株やナスダックを売買していた人は、取引方法でかなり
 大きな差がでたのです。

 

 実は、こんな傾向があります。

 

 ・現物取引:利益となっている人が多数
 ・差金決済:損失となっている人が多数

 

 同じ銘柄を売買していても、現物株の方のほうが利益を出してい
 るのです。

 

 なぜか、説明しますね。

 

 

★ 現物取引の米国株が利益を出し易かった理由

 

 現物取引で利益の人が多い理由が「円安」です。

 

 例えば、こういう状況だったとします。

 

 ・1USドル:100円
 ・株価:1ドルの株式
 ・日本円100円で1株購入

 

 この状況で、「円安」「株安」が起きたとします。

 

 ・1ドル:100⇒150円
 ・1株 1ドル⇒0.8ドル

 

 50%の円安となったと同時に株価は20%安となった状況です。

 

 こうなると、手持ち株の日本円評価はこうなります。

 

 ・0.8ドル×150円=現在評価額120円
 ・120−100=20円利益

 

 もともとの日本円評価は100円ですが現在は120円ですので、利
 益となっています。

 

 株価は下がっても円安で利益となっているので、合計では利益となり
 ます。

 

 2022年はまさにその年ですよね。

 

 米国株がこれだけ下げていても、現物取引の投資家からはそれほど深
 刻な話を聞かないのは、こういう背景があります。

 

 ただ、現物取引の中でも投信などで「為替ヘッジあり」という商品は
 この恩恵を受けられません。

 

 一時大人気となった「レバナス(レバレッジ・ナスダック)」で大幅
 にマイナスとなっている人が多いのは周知の事実です。

 

 「レバナス(レバレッジ・ナスダック)」は、「為替ヘッジあり」ば
 かりなので円安の恩恵は全く受けないんですよね。

 

 「為替ヘッジあり商品は対象外」という例外はあるものの、現物取引
 投資家は儲かっている人が多いです。

 

 でも、差金決済取引では事情が違ってきます。

 

 

★ 差金決済取引の米国株が損失となり易かった理由

 

 

 先程と同様の為替レートで説明してまいります。

 

 ・1USドル:100円
 ・取引値:1枚=100円
 ・くりっく株365で1株購入

 

 *現実には1枚100円の銘柄はないのですが、ここは単純比較の便
 宜上こうしています。

 

 この時点では、ほぼ同じです。

 

 この状況で、「円安」「株安」が起きたとします。

 

 ・1ドル:100⇒150円
 ・1株 1ドル⇒0.8ドル
  (くりっく株365では100円⇒80円)

 

 50%の円安となったと同時に株価は20%安となりました。

 

 くりっく株365は、全て日本円での取引ですので、為替相場の影響
 を受けません。

 

 なので、差金決済取引の損益計算はこうなります。

 

 80円ー100円=20円損失

 

 差金決済の場合は、株価が下がっている場合は「マイナス」が確定し
 ます。

 

 損失が出るのは、他のCFD取引でも同じです。

 

 これは、損益計算上最初に株価の損益を確定してから、為替レートを
 適用するからです。

 

 GMOクリック証券のCFD取引の米国30などは米ドルで損益計算
 をするのですが、マイナスの方が多かったのにはこういった理由があ
 ります。

 

 

★ 為替の影響

 

 円安なので、現物取引がとても有利になっているのですが、円高にな
 れば立場が逆転します。

 

 ・現物取引は、株価が上昇しても為替で損失になりやすい。
 ・差金決済取引は、株価が上昇すれば利益となりやすい

 

 こういうことなので、シンプルに株価上昇・下落を取るのであれば、
 差金決済取引の方が優れています。

 

 くりっく株365の取引は、全て日本円になり為替の影響を受けない
 設計です。

 

 円安の時はちょっと悔しいかもしれませんが、サヤ取りなどで使う場
 合は、とても使いやすいのです。

 

 (*^。^*)
 メリット・デメリット両方ありますね。

 

 次回へ続きます。

 

 

ー     ー     ー     ー     ー

 

【発行者:株式会社ハン・レイ】

 

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ー     ー     ー     ー     ー

 

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