FXで勝ち続けるための心得
たまに「読者に対して、厳しいことを書き過ぎです」なんてメールを頂くことがあります。
でも、それは誤解なんです。
ここで書いている厳しいことは、読者というよりも「私自身」のために書いていることが多いからです。私自身、もっと利益を出したい、長く利益を出し続けたい、という気持ちでFXに取り組んでいます。勝ち続けるためには、自分の精神を冷静な判断ができる正常な状態に保つ必要があります。
人間とは弱いもので、ちょっと調子がよくなると辛い時代の教訓などはどこかにいってしまうところがあります。勝ち続けるためには、それではいけません。
その気持ちを維持するためにちょっとキツめの文章で自分に言い聞かせるために書いたのが今回の記事です。
前置きはこのくらいにして、本日のタイトル「長考すべき時は「絶好調時」か「絶不調時」か」については入らせていただきます。
長考すべき時は「絶好調時」か「絶不調時」か
- かつて大山康晴十五世名人は、「どういう局面で長考するのでうか?」と問われ、「うまくいきすぎているときです」と言下に答えた。
- 九分九厘の勝ちを確信していながら、一手の差し違いで流れが変わり、握っていたはずの勝利が手からこぼれていくことはよくある。「しめた」と思う時ほど、注意してかからねばならない。
- あるマラソンの選手が国際大会で敗れたとき、「ベストの状態だったのが敗因です」と語ったことがあった。
米長棋士著書「不運のすすめ」よりの抜粋です。
物事が好調に運んでいるときほど十分に注意する必要がある。勝負事でもスポーツでもその点はとても似ていいます。
運気はサイコロの目のようなもので、それほど必要としていない時期にいちばんいい目が出てしまうことがある。あと先を考えずにそれに飛びつくと、思いがけずそれが敗因となってしまう。だから棋士たちは、「しめた」と思った時、そこに落とし穴はないかと考え、深い長考に沈むのであると米長棋士は説明しています。
これと同じような経験は、FXで何度もしています。
大きな流れに乗れて「好調」だと思っている。そこで、その流れが続くと過信して売買数量を増やして更に強力に攻めていく。
本来、売買数量を増やすという行為はリスクを高めることになるため慎重に決断すべきことです。
少なくとも、損失が膨らんでいるときであれば、長考の末止めてしまうでしょう。
それなのに、「好調」な時期には短慮で売買数量を増やすことはやってしまいがちです。
大体、勢いづいて売買数量を増やした後は、そこが天井・大底となってしまう傾向もあります。
好調のときに失敗の種を自分でまくようなことをやっている訳です。
私自身も年に1度は、このパターンでの損きりをやってしまいます。致命的な損失ではないものの、「相変わらずバカだなぁ」と飽きれるしかありません。
頭ではわかっているんです。
いや、冷静になればわかるんです。
相場で「波に乗れた」という気分はとても気持ちの良いもので、自分で決めた禁止事項を思考の外に飛ばしてしまうほどの快感があります。その気持ちよさに、冷静になればわかる事がわからなくなってしまうようなのです。
このパターンで何度痛い目に遭ったことか。
私自身の愚かさに悲しくなるばかりです。
「絶好調の時こそ長考すべき時」
これは、FXで生きる投資家にとっても至言となりえます。
ある程度の運用技術を身に着けた方であれば、いつも通りに売買をしていけば大きく負けることはなくなります。
毎年の利益額も徐々に増えていくでしょう。
一番注意すべきなのは、国際情勢でも為替変動でもありません。
己自身の慢心と油断が最大の敵になります。
その己の弱いところに打ち勝つために、「絶好調の時こそ長考すべき時」という言葉は刻んでおきたいものです。私も、何度も本を読み直しながらしっかりと刻んでおくつもりです。愚昧なる私は、一度では無理です。それでも、何度も何度も刻むことでその刻印は深くなっていくだろうと思っています。
どんな運用法であろうと、成功し続けるために重要なことです。