FXニュース 過剰反応で踊らされてしまうのはなぜか?
要人発言や重要時評発表時など各種ニュースで為替相場は動きます。しかしながら、その後に過剰反応しすぎたとして元に戻ってしまうこともよくあります。FXの情報を的確に処理できれば良いのにとばかりにその研究ののめりこんでしまう方もいるのですが、それで遂に成功できたという話は聞いたことがありません。
FX取引のニュースをいかに扱うべきか。
これは、投資家の永遠の課題の一つなのかもしれません。今回は、この「FX取引でのニュースの扱い方」について掘り下げてみます。
ニュースに過剰反応するのは普通
まず、ニュースに過剰反応気味になるのは普通なのだということから始めます。
多くの人々は、日々のニュースを的確に冷静に受け止めて処理できていると思っています。でも、現実は違います。ニュースは、その発信者または発信元の意志によって操作されているからです。
例えば、「2つの殺人事件」があったとしましょう。同じような殺人事件であっても、報道の仕方によって人々の取り方は異なります。
何も事件のない平和な時期であれば「こんなむごい話はない」と多くの人々の話題に上るかもしれません。でも、殺人事件が同時に何件も起きたり、国際ニュースで日本の存在を脅かすようなニュースがいくつも出てくると、1件の殺人事件の取扱いは当然ながら軽くなります。
一見、「2つの殺人事件」について公平な報道がされているようでも報道回数やキャスターの感情の込め方などにより私たちの気持ちには大きな差がでてしまいます。
実は、私は普段テレビをみません。
でも、友人の家にでかけたりするとテレビがずっとついていたりします。テレビを数時間みるとニュースが何度か入ります。同じ事件が何度も報道されているせいか、私の記憶に残ってしまうのです。
それによって、私の頭の中はその事件が気になってしまいます。ヤフーニュースなどで軽く見ている分には何も感じないようなニュースに、腹を立てたりしてしまうのです。そんな具合ですから、私自身ニュースを冷静にみて判断するなんて出来ていないのです。
ニュースだけではありません。人はリスクについて公平に判断する能力は薄いのです。
FXのニュースを公平に扱う難しさ
米国の方の書いた本に乗っている問題ですが、一緒に考えてみて下さい。
自分の子供が友達の家に遊びにいくとします。
- 友達の父親が家にピストルを一丁持っている
- 友達の家の庭にプールがある
貴方は、親としてどちらが安心していられますか?
米国では、多くの方が「プールがある家」と答えています。日本人でも同じですよね。
でもですね。
米国では、約600万の家庭にプールがあるのだそうです。銃は二億丁あります。
そして、10歳以下の子供のうち毎年約550人が溺死しています。同じ年代の子供のうち銃で死ぬのは175人です。
このデータを知っていたら、プールのある家に行く方が安全とは言い切れないですよね。
FXに限らず株式などでニュースを判断するときには、これらに似た判断をよくしてしまいがちです。
そもそもニュース自体がガセネタだったりもします。噂だけで動くので、それらにいちいち公平で正しい判断というのは無理です。そして、重要指標などについても過剰反応しがちな傾向があり、その後にかなりの確率で揺り戻しがあります。
こういうFXニュースを真に受けていると本当に疲れます。FXトレーダーの寿命は短いとよく言われますが、こういう情報に揉まれて疲弊してしまうのも大きな原因なのかもしれませんね。
師匠 林照太郎の教え
私の相場の師匠、林照太郎はFXや株式のニュースの取扱いについて明確な指針を示しています。
ニュースは無視せよ。読むのも聞くのもいけない。自分の売買道具を信じて売買すれば良い。
ニュースは無視、なんです。最初この言葉を見たときは、「なんて過激なんだ。流石に無視はできないよ!」なんて思ったものです。
実際、証券万時代は完全に無視することはできませんでした。お客さんからの質問に対して納得のいく答えをするにはニュースの解説がどうしても必要だったからです。
証券会社を退職して、やっと「ニュースを無視してやていみよう!」と踏ん切りをつけることが出来ました。
ニュースを無視し始めた最初の事は不安でしょうがないんです。いろんな事が気になってしかたがない。
でも、数日すると気持ちのだんだんと爽やかな感じになってスッキリしてくるんです。その感覚を味わって、やっと師匠の言葉が納得できました。このスッキリとした気持ちで場帖・グラフ記入をしていくことで売買判断が磨かれていくってことを本当に理解した瞬間です。
それ以来、FXでも株式でもニュースは無視してやっています。たまに入ってしまうのですが、基本方針は変わりません。これからも、この運用法で利益を出していくつもりです。