FXオプションの税金
今回は、FXオプションの税金についてです。FXオプションの税金は、FXと同じであるためFX投資家にとってはFX口座が一つ増えたような感覚で対応して問題ありません。
とはいえ、全体の概要を掴んでおくことは大切ですのでここでまとめさせていただきます。
FXと税区分同じ「雑所得 申告分離」
FXオプションの税金は、FXやCFD取引と同じ区分で「雑所得 申告分離20%」です。
現実の税率は、これに復興所得税2.1%が加わり、20.315%となります。
投資系金融商品は、2018年現在大きく3つの税区分に分かれます。
海外FX・仮想通貨・ソーシャルレンティングなど
店頭FX・くりっく365・CFD・くりっく株365・先物・オプションなど
株式・投資信託・債券など
FXオプションは、2番目の「雑所得 申告分離」です。
同じ雑所得でも1番目の「雑所得 総合課税」とは違うところは要注意です。
「雑所得 申告分離」の税制では、同じ区分に入る投資系金融商品同士に認められているメリットがあります。
- 損益合算
- 損失繰越
損益合算は、同じ税区分の損益が合算して申告できるという制度です。なので通常のFX口座とFXオプション口座の損益は、確定申告では合算して損益計算します。
損失繰越は、損益合算後の総合損益が損失となった場合に翌年から3年間は損失を繰り越して利益と相殺できるというものです。
この損失繰越は、どの投資商品にも認められている訳ではありません。
傾向的には、「歴史の浅い」「知名度の低い」投資商品ほど損失繰越が認めらない傾向にあります。
ちなみに、仮想通貨や海外FX口座は「損失繰越」はできません。
同じFXでも海外FXと国内FX口座は税制が異なります。この辺、同じように合算して申告している方も多いようですので、注意が必要なところです。
損益合算・損失繰越の計算例
仮に「FX200万円利益」「FXオプション50万円損失」だったとしましょう。
- FX利益 200万円
- FXオプション損失 ー50万円
- 損益合算 150万円
この場合、損益合算した利益150万円に税金がかかります。
ここで仮にFXオプション損失が250万円だとすると状況が変わってきます。
- FX利益 200万円
- FXオプション損失ー 250万円
- 損益合算 −50万円
この場合、合計損失がー50万円となるので当年度は税金はゼロ円で済みます。これで何もしないと、翌年利益がでた場合損失繰越はできず、利益にそのまま税金が課税されます。
でも、損失繰越手続き(確定申告時に書類を出すだけ)をすることで、翌年の利益と損失を相殺できます。
先程の計算式で、翌年度100万円の利益を出した場合、以下のような感じになります。
- 前年度 ―50万円
- 翌年度 100万円
- 損益 50万円
損失繰越が出来ない金融商品であれば翌年度の利益100万円に対してそのまま税金がかかりますので、税金はこのケースの利益50万円の倍となります。
損失繰越を有効にするためには毎年の確定申告できっちりと損失繰越の書類を提出する必要があります。大した手間ではないので該当する場合は、必ずやっておくことを強くおすすめいたします。
FXオプションは、知名度は低いもののFXやCFD取引と損益合算・損失繰越ができるため、FXポジションと組み合せた合成ポジション戦略が取りやすい投資商品といえます。
ふるさと納税目安
FXオプション利益で「ふるさと納税」をされる場合の利用枠目安や注意点もFXと同じです。
私は、「FX利益100万円でふるさと納税1万円目安」でやっています。この1万円は、以下の計算式で出した金額です。
- 住民税:利益100万円×5%=5万円
- ふるさと納税目安:住民税5万円×目安20%=1万円
正直、もうちょっと「ふるさと納税枠」がありそうな気がするのですが、ふるさと納税に精通していないのでギリギリのラインはわかりません。
ここはあまりギリギリでなくても良いかなという判断でやています。運用利益は、年度末ギリギリまで確定しないからです。
ギリギリの枠でやっていると年末に損きりしたくなった時に「ふるさと納税枠に引っかかるので止めておこう」といった理由で損きりを思いとどまって、後々の大きな災いの元になるような事態を恐れています。
私は、2012年からふるさと納税を続けています。2年ほど前にふるさと納税の枠(地方税の1割上限⇒2割上限)が拡げられてから、この目安でやっています。
今のところ、この辺を目安にしてやる分には問題はないようです。
FX投資家は税金の心配不要
FX投資を数年されている方は、ほとんどが確定申告を経験されているだろうと思います。利益にせよ損失にせよ、今のFX税制はかなりのケースで「確定申告する方が有利」になっているからです。
FXオプションの損益の申告は、税金上他のFX口座と同じに考えて問題ありません。
なので、FX投資家はFXオプションの税金で戸惑うことはないだろうと思います。
ただ、投資家によってはFXオプションならではの特徴を利用した面白い使い方もできます。次回は、その使い方をご紹介します。
FXオプション攻略 2018年版 目次
- 第1回「暗黒時代に見えた希望」 FXオプション攻略2018版
- 第2回オプション取引終了理由とFXオプション25年ぶり再開理由
- 第3回FXオプションとは 違いをFXとFXオプション比較で解説
- 第4回FXとFXオプションの共通点と相違点
- 第5回FXオプション「買い」の夢と現実
- 第6回FXオプション「売り」の魔力
- 第7回コールオプション現実の売買画像と損益分岐点
- 第8回プットオプション リアル売買と損益分岐点計算方法
- 第9回FXオプションの税金2018
- 第10回FXオプション FXよりも有効な税金対策としての使い方
- 第11回FXオプション無税枠活用「運用通貨選定まで」 その1
- 第12回FXオプション無税枠活用「期日」「権利行使価格」選定 その2
- 第13回損きりルールで利益がでてしまう理由 〜FXオプション無税枠活用法 その3
- 第14回FXオプション 無税枠活用におけるギリギリの税金対策等について
- 第15回FXオプション そのほかの基礎知識
- 第16回FXオプション 開始7か月の運用成績
- 第17回ストラドルの買い 一見とても魅力的なFXオプション戦略編の落とし穴
- 第18回ストラドル売り FXオプションにおける短期と長期比較
- 第19回ストラングル戦略 ストラドル戦略との比較でみた特徴
- 第20回ストラングル戦略 FXオプションでの現実的な使い方
- 第21回カバードコール戦略 スワップ派に必須知識
- 第22回カバードコール FXでの現実的な使い方
- 第23回高金利通貨でのカバードコールの仕掛け方
- 第24回10倍狙いのFXオプション戦略
- 第25回「スポット」とは・・方法と効用
- 第26回FX底値狙い 失敗しても「お小遣い」が貰える戦略
- 第27回一見勝率50%のFXオプション買いポジション戦略
- 第28回為替相場 長期堤相場で使える「カバプー戦略」
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