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プットオプション リアル売買と損益分岐点計算方法

私だけかもしれませんが、プットオプションの売買は時折混乱します。「売り」「買い」「利益」「損失」がコールオプションと逆になってしまうのが原因のようなのですが、そのせいもあって慎重に注文を出すようにしています。

プットオプション 特徴と使い方

プットオプションは別名「売る権利」と呼ばれています。プットオプションのプレミアムは、下落相場で値が上がっていく性質があります。

 

  • プットオプション買い:下げ相場で大きな利益、損失は限定される。
  • プットオプション売り:「現状維持」又は上げ相場で利益、損失は限定されない。

 

売りと買いの特徴は、前回のコールオプションと似ています。違っているのは「上げ相場で上がるか下げ相場で上がるか」の部分です。

 

  • コールオプション:上げ相場で上昇
  • プットオプション:下げ相場で上昇

 

「下げ相場で上昇」というのは頭で考えているとわかりにくいだろうと思います。具体的な画像をご覧下さい。

 

プットオプションの仕組み

 

プットオプション売買画面画像

 

8月2日時点のプットオプション・プレミアム表画像です。米ドル円現在値は、111.68円です。

 

ここで権利行使価格111.50円・期日8月15日のところをご覧ください。赤と青で色分けしてあります。

 

  • 薄青色:プットオプション買いプレミアム 0.561
  • 薄赤色:プットオプション売りプレミアム 0.472

プットオプション 損益分岐点

1段下の米ドル円権利行使価格112.00円・期日8月15日のところを見るとそれぞれの数値は以下のようになっています。

 

  • プットオプション買いプレミアム 0.822
  • プットオプション売りプレミアム 0.734

 

権利価格が50銭上のプレミアムは0.822−0.561=0.261ほど高くなっています。

 

仮にですが、米ドル円がこの後に111.18円くらいまで50銭ほど一気に下げるようなことがあれば111.50のプレミアムは大体0.261くらいらい上昇するという感じになります。

 

現実には、プレミアム構成要素には「ボラティリティ」などがあるため、0.261きっちり上昇ということはありません。

 

ここで大切なことは「為替値が下がるとプレミアムが上昇する」という性質の理解です。

必要資金

プットオプション売買の必要資金もコールオプションと同じです。

 

  • 買い:プレミアム代金のみ
  • 売り:FXと同じ必要証拠金

 

買いは、リスク上限がプレミアム代金に限定されるため、必要証拠金を入れる必要はありません。

 

先程のプレミアムを売買数量1万通貨購入すると買いの必要代金は以下のようになります。

 

  • 0.561×1万通貨=5,610円

 

米ドル1万通貨売買資金としては、かなりお手軽な金額ですね。

 

FXで米ドル円売りポジション1万通貨を仕掛ければ、レバレッジ25倍でも必要証拠金はこの8倍前後必要です。

 

スワップ目的で余裕をもってレバレッジ3倍くらいで仕掛ければ40万円くらいの資金を用意することもあるので、それが5千円台で済むというのはちょっと驚きです。

 

これでも、米ドル円が110円や105円などまで下落するようなことがあれば、数万円の利益が出ることになります。

 

一方、プットオプション売りポジションの場合は、FXの買いポジション同様に「下落リスクを負う」側となるので、FXの同数量の売りポジションと同額の必要証拠金が必要です。

 

プットオプション売りは、「FXの買いポジション同様の下落リスク」というのも慣れるまでは戸惑うところです。

プットオプションの損益分岐点

それぞれの損益分岐点も計算してみましょう。売買数量はどちらも1万通貨です。

 

プットオプション買いの損益分岐点

 

  • 111.50ー0.561=110.939円

 

米ドル円が大きく下げれば利益は大きくなるのですが、プレミアム代金分を回収できるくらいの利益額となるのは110.939円です。

 

現在値が111.68円ですので、約75銭くらい下がる必要がありますね。

 

期日が8月15日ですので、為替相場が開いている日数は10日くらいです。流れが「下げトレンド」であれば1日で動く値幅ですが、楽勝というほどの値幅ではありませんね。

 

プットオプションは、リスクは限定されて大きく動けば大利も狙えます。その代わり、現実に利益を取れる局面は限られるという特徴があります。

 

逆に、「売り」の方は勝ち易いのが大きな特徴です。

 

プットオプション売りの損益分岐点

 

  • 111.50ー0.472=111.028円

 

プットオプション売りでの損益分岐点は、「111.028円よりも下がらねば利益」という具合になります。

 

先程のプットオプション買いは「下げれば下がるほど利益」でした。プットオプション売りは立場が逆になるので「下がれば下がるほど損失」になります。

 

大きな下げトレンドが発生すれば、損失が大きくなる可能性はありますが、かなり分の良い勝負にはなります。

 

現在値が111.68円ですので、あと66銭くらい下げない限り、利益を得られるからです。

 

期日と権利行使価格

 

コールオプション同様にプットオプションも4カ月先くらいまでの売買ができます。権利行使価格も、通貨ペアによっては上下5円くらいのものが売買できるようになっています。

 

期日については、向こう1ヶ月くらいは1週間単位で設定されています。

 

それ以降は、2週間・1ヶ月単位での設定になっています。これが、2018年8月現在の状況です。

高スワップポイント通貨の売り手段にも有効

プットオプションの使い道は多岐にわたります。お手軽な使い方の一つとしては、「高スワップポイント通貨の売り手段」というのがあります。

 

例えば、米ドル円であれば「売りポジション」だと結構なマイナススワップポイントが発生します。

 

普段は、買いポジション長期保有でスワップポイントを受け取っているのても「長期下落必至」という場面では。売りポジションをたてざるを得ない局面もあります。

 

でも、これは慣れてこないとなかなかうまくいきません。

 

こういう時に、「米ドル円プットオプション買いポジション」を作ることで米ドル円下落対策とすることができます。

 

必要資金は、今回の事例で1万通貨で5000円程度です。期日や権利行使価格を変えればもっと安い代金でも対応ができます。

 

仮に下落しなくても、この5000円程度のプレミアム代金の損失で済みます。

 

読みがはずれて米ドル円上昇となっても、FXの売りポジションのように含み損処理で悩む必要などはありません。

 

現実の注文時には何度も確認

 

これらの仕組みを理解するのは、ちょっと慣れれば大丈夫だろうと思います。FX投資家であれば、FXオプション取引はその延長上にあるので理解するのに時間はかかりません。

 

でも、理解していると実際に注文を出すというおは感覚が違ってきます。

 

注文を出す時は、最初のうちは特に意識して「ゆっくり確認しながら行う」ようにして下さい。慣れるまでは、ちょっと勘違いしたりして誤注文を出してしまいがちですのでご注意くださいませ。

FXオプション攻略 2018年版 目次

2018/08/06


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