FXオプション そのほかの基礎知識
前回まで、無税枠の範囲内でやるFXオプション運用について書かせていただきました。今回は、他の注意事項について書かせていただきます。
注文は成行注文のみ。指値注文は要望提出中
FXオプションの注文方法は、成行注文のみです。指値注文や逆指値注文など、FXでお馴染みの注文方法はありません。
ここは、是非とも実現して頂きたいところです。
FXオプションは、権利行使価格によっては、FX以上の大きな値動きをします。
買いポジションなどは、一晩で2〜3倍に暴騰することなどもよくあります。
「指値注文を2倍のところで入れておけば、入るかもしれませんよね」
FXオプション「買い」は、「荒れ相場」や「短時間の急上昇・旧下落」などで暴騰しやすいところがあります。
特に狙いたいのが「短時間の急上昇・旧下落」です。ボラティリティ急上昇とともにプレミアムも上昇するからです。
プレミアム上昇=FXオプション「買い」の収益チャンスですので、「短時間の急上昇・急下落」は、是非とも狙いたいところです。
ボラティリティは、短時間で急変動するため深夜NY時間に大きく上昇したのに、東京時間では元に戻っているなんてことはよくあることです。
急上昇している時間は、数秒〜数分ということだってあります。その時に利益確定する手段が欲しいですよね。
その反面、プレミアムは長く保有していけば下がりやすいという宿命も持っています。
多くの方は、四六時中為替ボードをみている訳にはいきません。
「買いポジション」保有者は、自分が相場をみていられないときの一時的な暴騰対策として「指値注文」の有効性は高いと感じています。
ここは、是非とも実現していただきたいところです。
私は、電話・セミナーなどで「指値注文」実現をサクソバンク証券さんにお願いし続けています。
口座開設された方は、私同様の不便を感じるはずです。システム的にできない理由はない気がするので、ここは皆さんからもどんどん要望を出して頂きたいです。
こういうシステム改善の一番の刺激策は「ライバル」の登場なんですよね。他にもFXオプション開始する業者があれば、指値注文など注文方法の増加などは自然に実現するだろうとみています。
プレミアムスプレッドは通貨ペアによってかなり差がある。
見過ごされがちなのですが、FXオプションで売買するプレミアムにもスプレッドがあります。
そのスプレッドには、明確な傾向がいくつかあります。
- 米ドル円・AUDUSDなど狭い
- ボラティリティが上昇すると拡がりやすい。
- 高金利通貨などは広目の傾向
FXオプションの呼び方にFXで使っている「pips」などは今のところ無さそうなので、ここでは数字は出さずに書かせていただきます。
米ドル円・AUDUSD・EURUSDなどが、買いと売りの差が狭いのです。特に、ドル絡み・ユーロ絡みの通貨で狭い傾向があります。
相場急変などでボラティリティが上昇すると、スプレッドが拡がりやすいです。
これも通貨ペアによって差があって、メジャー通貨の米ドル円などは、少々の荒れ相場でもスプレッドは通常通りなのですが、USDZAR・USDTRYは、「あれ?」と思うくらい拡がっているときもあります。
そして、高金利系通貨ペアは基本的にスプレッド広目です。
FXオプション用語集
FXオプションのプレミアム表をみると出ている専門用語についても簡単に書かせていただきます。
デルタ
原資産価格の変化に対するオプション価値の変動値、インザマネー(コールの場合原資産価格が権利行使価格を上回る、プットの場合原資産価格が権利行使価格を下回る)で満期を迎える確率
ガンマ
原資産価格の変化に対するデルタの変動値
セータ
一日あたりのオプション価値の減価値
ベガ
ボラティリティの変化に対するオプション価値の変動値
サクゾバンク証券公式ページでの記述をそのまま抜き出してきました。
人によっては、これらの数値を細かく分析して売買に活用していく方もいるかもしれません。。
この中で一番みているのは、「ベガ」です。
そのプレミアム値が、ボラティリティの影響をどれくらい受けているかという数値です。相場変動が激しくなればなるほど、この数値は上がります。
- 米ドル円などメジャー通貨で通常 5〜7%くらい
- ランド・トルコリラなど高金利通貨は常時高目
- 大きく変動する時期は、205超になることもある。
参考までに、2018年8月28日の現在値近辺のFXオプション・プレミアムのベガ値は以下のようになっています。
- USDJPY 7.62%
- EURUSD 9.95%
- AUDUSD 12.50%
- USDZAR 20.89%
- USDTRY 100.14%
USDTRYの100%超え、凄いですね。1カ月前は5%台の通貨ペアもあったのですが、現在は見当たりません。
トルコリラショックなどを機に、相場が大変動期に入りそうな兆候があるのを警戒してベガ値が上昇しているのかもしれませんね。
これ以外の数値は、軽く見る程度です。
今後、使い込んでいく中で有効な活用法などを思いつくかもしれません。
その際は、別途記事にまとめさせていただきます。
FXオプション攻略 2018年版 目次
- 第1回「暗黒時代に見えた希望」 FXオプション攻略2018版
- 第2回オプション取引終了理由とFXオプション25年ぶり再開理由
- 第3回FXオプションとは 違いをFXとFXオプション比較で解説
- 第4回FXとFXオプションの共通点と相違点
- 第5回FXオプション「買い」の夢と現実
- 第6回FXオプション「売り」の魔力
- 第7回コールオプション現実の売買画像と損益分岐点
- 第8回プットオプション リアル売買と損益分岐点計算方法
- 第9回FXオプションの税金2018
- 第10回FXオプション FXよりも有効な税金対策としての使い方
- 第11回FXオプション無税枠活用「運用通貨選定まで」 その1
- 第12回FXオプション無税枠活用「期日」「権利行使価格」選定 その2
- 第13回損きりルールで利益がでてしまう理由 〜FXオプション無税枠活用法 その3
- 第14回FXオプション 無税枠活用におけるギリギリの税金対策等について
- 第15回FXオプション そのほかの基礎知識
- 第16回FXオプション 開始7か月の運用成績
- 第17回ストラドルの買い 一見とても魅力的なFXオプション戦略編の落とし穴
- 第18回ストラドル売り FXオプションにおける短期と長期比較
- 第19回ストラングル戦略 ストラドル戦略との比較でみた特徴
- 第20回ストラングル戦略 FXオプションでの現実的な使い方
- 第21回カバードコール戦略 スワップ派に必須知識
- 第22回カバードコール FXでの現実的な使い方
- 第23回高金利通貨でのカバードコールの仕掛け方
- 第24回10倍狙いのFXオプション戦略
- 第25回「スポット」とは・・方法と効用
- 第26回FX底値狙い 失敗しても「お小遣い」が貰える戦略
- 第27回一見勝率50%のFXオプション買いポジション戦略
- 第28回為替相場 長期堤相場で使える「カバプー戦略」
- 第29回スワップポイント複利戦略 数十倍に増やすならこの選択肢
- 第30回スワップポイント振替機能を使ったFXオプション複利運用
- 第31回「捨て駒」と「本気玉」 FXオプション「買い」2つの戦略
- 第32回FX底値と上昇狙い戦略と魔法の杖
- 第33回FXオプション 米ドル円と豪ドル円での使い方