FXオプション 税金対策としての使い方
FXでも「無税の範囲」で運用をされている方は結構います。当ブログでも、過去に何度か「無税の範囲でやるFX」の方法をご紹介してきました。スワップポイント引き出し自由のFX口座を使って毎年の利益を税金のかからない範囲に抑えていく方法です。
FXオプションがFXよりも有効な部分
実際に、この範囲で運用を続けている方もかなりいます。
このFXでのやり方は、スワップポイントの変動に合わせて微調整が必要です。
また、無税枠が35万円あるとしてもスワップポイントで35万円調度にするのはちょっと難しいところです。
1年の間では、どのFX口座もスワップポイント変動があるため、ギリギリのところまでやると税金のかからない枠をはみ出してしまう可能性もあるからです。
なので、無税枠の範囲に収めるために着実にやるには、35万円枠があっても数万円余裕を持たせた30万円くらいで納めるのがFXでの現実的で安全な方法となります。さて、この枠をギリギリまで使い切ることを狙って出来る投資商品があります。
実は、それがFXオプションなのです。
FXオプションでの無税範囲での利用
FXオプションは、この点とても魅力的な特徴を持っています。それは「利益上限が限定」というポジションが持てるからです。
- コールオプション売り
- プットオプション売り
オプションでこの2種類の「売り」ポジションは、利益上限が決まっています。
先日、実際に利益となった事例がこれです。
この記事で期日に確定した利益104,650円は最初から決まっていた最大利益です。米ドル円が大きく動いてもこの利益額は変わりません。
仮に無税枠が35万円の方がいるとします。専業主婦などが当てはまります。
この場合、このポジションを売買数量を調整したりして保有すれば、無税枠ギリギリの利益を出していくこともできます。
このポジションは、メリットとデメリットの両方あります。
- かなりの確率で勝てるポジション
- 利益は最大104,650円
- リスクの把握と対策
この方法は、絶対に勝てる訳ではありませんがかなりの確率で勝てるポジションが持てます。
例えば、先程のリンク記事でのポジションは、米ドル円107.5円前後で作成したものです。
でもこのポジションの権利行使価格は「米ドル円105円」です。
プレミアムは1.0465です。利益となる水準も計算しておきましょう
- 105−1.0465=103.9535円
つまり、米ドル円107.5円のときに期日に103.9535よりも下がらねば利益になるポジションを作成したということです。
- 107.5−103.9535=3.5465円
現在値よりも約3.5円下がっても収支トントンとなるポジションです。
一般的にみて勝ち易いポジションですよねぇ。
人によっては「米ドル円は絶対に下落するはずだからリスクは高い」と主張する方もいるかもしれません。
こう確信できるようなときに無理をしてはいけません。
米ドル円にこだわらずとも同じことはできます。
こういう時は、他の通貨ペアで相場見通しとも合うものを探します。
幸い、サクソバンク証券のFXオプション取扱通貨ペアは42銘柄あります。
納得のいく通貨ペアを選んでやれば、自信を持ってできるはずです。
私も先日、AUDUSDのプットオプション売りを数日で決済、運用通貨をAUDUSDに変更して再度ポジションを作っています。
いずれにせよ、単純に確率的な見方でいけば「かなりの確率で勝てるポジション」であることには異論がないはずです。
しかも、利益上限は決まっています。
このパターンのポジションでやっていけば、運用利益を無税の範囲で調整してやっていくことは十分に可能です。
先程の記事のポジション利益は、最初から104,650円が最大利益となります。これは、FXオプションで売りポジションを作成したときの宿命であり、相場がどんなに有利に動こうとも利益額がこれ以上増えることはありません。
だからこそ、「無税枠の範囲に利益を収めたい」というニーズにはピッタリあいます。
利益額は、為替変動とともに変化します。この事例でいくと以下のような感じです。
- 米ドル円105円以上:利益104,650円
- 米ドル円103.9535〜105円:利益額が減っていく
- 米ドル円103.9535円未満:損失
期日の為替値が米ドル円103.9535〜105円のところでは得られる損益が変動しまうs。
米ドル円が105円以上であれば、利益額は104,650円で固定されます。
最後の「損失」は、米ドル円がここから下げれば下げるほど拡大していきます。仮に2円下げて、101.9535円となれば10万通貨保有ですので-20万円の損失という具合です。
これがこのやり方の一番のリスクです。
無税の範囲でやるFX運用では、想定外の方向へ動いても低レバレッジで戻ってくるまで放っておくというのが基本行動でした。損きりも基本的にはしません。
為替評価損があっても、スワップポイントは日々発生するので相場回復を気長にまつこともできるからです。
FXオプションでは、これはできません。
期日があるからです。FXオプションでは期日には必ずFXオプションポジションを清算する必要があります。
なので、先程の記事での米ドル円105円のプットオプション売りポジションでも期日に米ドル円が103.9535円を割れるような円高となれば損失を出さざるを得ません。
90円台突入などという可能性もない訳ではないので、放ったらかしにはできません。
なので、FXオプションではこの使い方をする場合でも対応が必要です。
具体的には「損きり基準の設定」です。
例えば、「プレミアムが2倍に上昇したら損きりする」「米ドル円103円前半まで落ちたら損きりする」などというルールを決めておくという具合です。
あるいは、利益でてきた状況で相場が危うい感じになってきたら途中で利益確定してしまうのもリスク回避手段として有効です。
私自身、プットオプション売りなどの「売り系ポジション」はよく保有しています。
今のところ、FXオプション「売り」での勝率は90%前後です。
なので、想定外の値動きで損きりとなっても、傷が浅ければその後の利益で取り返して年間総合成績を利益にもっていくのはそれほど困難ではないと感じています。
最終成績をプラスにもっていくためにも、損きり時の損失は少な目にする工夫も大切になります。
FXオプション攻略 2018年版 目次
- 第1回「暗黒時代に見えた希望」 FXオプション攻略2018版
- 第2回オプション取引終了理由とFXオプション25年ぶり再開理由
- 第3回FXオプションとは 違いをFXとFXオプション比較で解説
- 第4回FXとFXオプションの共通点と相違点
- 第5回FXオプション「買い」の夢と現実
- 第6回FXオプション「売り」の魔力
- 第7回コールオプション現実の売買画像と損益分岐点
- 第8回プットオプション リアル売買と損益分岐点計算方法
- 第9回FXオプションの税金2018
- 第10回FXオプション FXよりも有効な税金対策としての使い方
- 第11回FXオプション無税枠活用「運用通貨選定まで」 その1
- 第12回FXオプション無税枠活用「期日」「権利行使価格」選定 その2
- 第13回損きりルールで利益がでてしまう理由 〜FXオプション無税枠活用法 その3
- 第14回FXオプション 無税枠活用におけるギリギリの税金対策等について
- 第15回FXオプション そのほかの基礎知識
- 第16回FXオプション 開始7か月の運用成績
- 第17回ストラドルの買い 一見とても魅力的なFXオプション戦略編の落とし穴
- 第18回ストラドル売り FXオプションにおける短期と長期比較
- 第19回ストラングル戦略 ストラドル戦略との比較でみた特徴
- 第20回ストラングル戦略 FXオプションでの現実的な使い方
- 第21回カバードコール戦略 スワップ派に必須知識
- 第22回カバードコール FXでの現実的な使い方
- 第23回高金利通貨でのカバードコールの仕掛け方
- 第24回10倍狙いのFXオプション戦略
- 第25回「スポット」とは・・方法と効用
- 第26回FX底値狙い 失敗しても「お小遣い」が貰える戦略
- 第27回一見勝率50%のFXオプション買いポジション戦略
- 第28回為替相場 長期堤相場で使える「カバプー戦略」
- 第29回スワップポイント複利戦略 数十倍に増やすならこの選択肢
- 第30回スワップポイント振替機能を使ったFXオプション複利運用
- 第31回「捨て駒」と「本気玉」 FXオプション「買い」2つの戦略
- 第32回FX底値と上昇狙い戦略と魔法の杖
- 第33回FXオプション 米ドル円と豪ドル円での使い方