くりっく365 建玉整理の効果
建玉整理は、くりっく365独自の制度です。両建て利用者にはとても便利な制度ですので、覚えておいて損はありません。建玉整理をうまく使うことで最悪の事態を逃れられるかもしれないからです。
建玉整理の特徴と効果
建玉整理について、くりっく365口座のページでは以下のように説明されています。
両建している買建玉と売建玉を、同数量で相殺する注文方法です。建玉整理を行う場合は手数料をいただきません。建玉整理は、反対売買による通常の決済と比較して、スプレッドコスト・手数料が低減します。
例えば、9.00円で南アフリカランド円買いポジションを10万通貨保有しているとします。2015年12月現在のように、南アフリカランド円が7円台突入して「損きりするか」どうか悩んでいたとします。この場合、損きりしないで買いポジションを作って「両建て」するという選択肢もあります。
両建てを選択した場合、この後の処置がくりっく365と店頭FX口座で違ってきます。
通常の店頭FX口座であれば、両建てした後の決済は個別に行う必要があります。そのため、スプレッドコストが2倍となります。両建てポジションを維持し続ける場合は、買いスワップポイントと売りスワップポイントの差額分がコスト負担ともなります。
くりっく365の場合、建玉整理を使うことで両建てポジションを相殺することができます。そのためスプレッドコストは2倍にはなりません。スワップポイントも売買同値のため長期間両建てポジションを保有しても含み損が増えたりするようなことはありません。
つまり、くりっく365では「とりあえず両建て」しておき、ゆっくり考えてから「やっぱ損きりが正解」と思ったら建玉整理をするという手が使えます。建玉整理をすることで通常売買で損きりしたのと同じ状況となります。
この差は、計算上は大したことではないと感じるかもしれません。
しかし、実際の売買では損益に大きな差がでてきます。
含み損のあるポジションを損きりはできないが両建ては案外できる。
これが、投資家の一般的な心理でもあります。本当は、「ここで損きりしないとマズイ」と思ってはいても躊躇してしまったが故に傷口を広げてしまうようなことは誰にも経験があるものです。
だからこそ、「ここで損きりしないとマズイ」と思った時に一旦両建てをしておいて冷静になってよく考えるというやり方も有効になります。
冷静になって「ここは損きりが正解だ」と判断したら建玉整理で両建てポジションを消すことで損きりと同じになります。無論、更に下がってから売りポジションのみ利益確定決済という選択肢もあります。
私が感じる建玉整理の一番のメリットは、この冷静になって考える時間を作れることです。大きな含み損ポジションを抱えたままでは、いつになっても冷静な売買判断はできません。それ故、体制を立て直せないままに崩れていくような事態もあります。
その最悪の事態を回避するのに、建玉整理は使えます。
建玉整理