円安インフレ時代への準備はできていますか 1億円ためてみよう最終回
純ドルコスト平均法定期フォローの最終回です。2015年1月現在の日本は円安インフレ時代の入り口にいます。幸い原油安のおかげでかなり控えられてはいるのですが、これがいつまで続くかはわかりません。これからの円安インフレ対策の一環としても純ドルコスト平均法を活かしていただければと思っています。
油断さえしなければ、大丈夫
この連載の最後に申しあげたいことはひとつだけです。
「油断さえしなければ、多分大丈夫です」
ここまで連載を続けてきた純ドルコスト平均法は、様々な安全弁をつくり、安定した運用が続けられる工夫をしてあります。これらのルールをきっちりと守っていく限りは、大きな失敗はないだろうと思います。
勿論、絶対はないですけどね。ここから3年以内で豪ドル円の暴落があるかもしれません。豪ドル円が大きな影響を受ける超円高となる引き金となる要因はいくつもあるからです。
- ウクライナ問題
- ギリシアなどユーロ圏の不安
- 中国の経済失速
- 米国の動向
- 豪ドルの暴落周期からの可能性
全て外部要因なのが悲しいところですね。
本来、円高というのは「日本経済が強い」という前提のもとで起きるのが望ましいのですが、現状では「日本経済が強いと評価されておきそうな円高の可能性」はほとんどありません。日本国民としてはとても寂しいところです。
私の感傷はこの辺にして本題を続けます。
暴落する時は、いくつもの要因が重なることも多いものです。豪ドル円の暴落周期については連載の中でも取り上げました。
参考:豪ドル円暴落周期について
でも、超円高期が到来したとしても長くは続かないだろうと思っています。日本経済に復活の兆しがみられないうちは、日本円を買い続ける理由がないからです。
仮に、欧州で米国も巻き込んだ大規模な争乱が起きたとしてもその恩恵を受けるのは日本ではなく中国や韓国でしょう。日本はEPAなどでも出遅れていて、市場進出が停滞しています。「ローリスクすぎる」という指摘も受けるこの運用法の売買ルールは、50円規模の大暴落が起きても生き残り、場合によっては勝負にでれるように作ってあります。
ピンチをチャンスに変えて、しっかりと増やしていきましょうね。
円安インフレ時代到来に備える
今年2015年くらいより、本格的に日本の物価上昇は本格化するだろうと思います。その物価上昇の主因の一つは円安となるのはほぼ間違いなさそうです。
円安インフレ時代になって、国民生活に何が起きるかの影響はまだあまり語られていません。まずはデフレから抜け出すのが重要なので、円安インフレの弊害は語らないようにしているのかもしれません。でも、円安インフレ時代に起こる現象はすでに予測がつきます。円安インフレ時代を資産管理の視点で一言で書けばこうなります。
「何もしなくても日本円資産の実質価値が減っていく時代」
よくある計算式でいくと、例えば現在1000万円の預金があるとして、毎年3.6%ずつ物価上昇が起きるとすれば20年後には半分の500万円程度の価値しかなくなります。
つまり、現在手元に潤沢な金融資産があっても、円安インフレ時代に入って何もしないでいると毎年その価値が減少していくということにもなります。
これまで必死に働いて貯めた日本円の価値がどんどん下がっていく形になるので、これはとても大変なことです。この円安インフレ時代にしっかりと資産つくりをしていく方法は2つです。
- 仕事を頑張って現金収入を増やしていく。
- 資産運用でプラスアルファの上乗せをしてく。
純ドルコスト平均法は、後者の対策にもなります。私はこれ以外にもいくつかの対策をし続けていきます。例えば、長期保有前提の米ドル買いなどです。
そのほかにも債権とCFDと株式でサヤ取りも活用してやっています。中には失敗するものもあるとは思いますが、全体として資産増加の流れが作れれば良いと思っています。
1億円 作っておきましょう
この純ドルコスト平均法は、読者の皆様に「1億円つくってもらおう」という趣旨で続けています。この1億円は、これからのインフレ時代に対応していくうえでも役に立つはずです。
1億円達成できるのが20年後だとして、その間インフレーションが進んだとしても1億円あればその実質価値はそれなりにあるはずです。毎月コツコツと地道な運用法ですが、その積み上げはとても大きなものです。
塵(チリ)も積もれば山となる・・・・といいますよね。
この諺には続きがあります。最後にご紹介させていただきます。
塵も積もれば山となる。
山となれば雲がでて風雨が起きる。
雨が降れば川ができて池ができる。
その池は大きく深くなっていり淵となる。
大きな淵には龍がすむようになる。
即ち・・・「塵も積もれば龍となる」・・・ということです。
こっちの方が、努力の継続の威力のすばらしさを伝えるには良いという気がします。メルマガでは何度か引用している諺なので、覚えておいでの方も多いかもしれませんね。読者の皆様とともに続けているFX積立がいずれ大きな成果となるときを楽しみにしながら、これからもしっかりと続けていきます。
今後も、純ドルコスト平均法は毎年1回程度でフォローの連載を続けていく予定です。
来年はどこまで増えているか楽しみですね。
しっかりとやってまいりましょう。
1億円ためてみよう 目次
- 第1回:「メルマガ読者1億円計画」
- 第2回:月1万円積立で1億円となるペース維持
- 第3回:誰にでもできてあまり差がでない資産運用
- 第4回:メリットその2:豪ドルの相場観ほぼ不要
- 第5回:メリットその3:自分のペースでできる
- 第6回:大損失とドルコスト平均法
- 第7回:FXで儲からない理由とドルコスト平均法
- 第8回:大阪堂島米相場と純ドルコスト平均法
- 第9回:資金管理ルール2014
- 第10回:予備資金をお忘れなく
- 第11回:売買ルール
- 第12回:買い平均値を基準に判断
- 第13回:レバレッジ4倍を投下するタイミング
- 第14回:豪ドル円暴落周期性のまとめ
- 第15回:3年目以降の大損防止ルール
- 第16回:利益確定ルール留意事項
- 第17回:高値掴み防止ルール
- 第18回:全ポジション決済のルール
- 第19回:FX利益確定 2000pips狙いの理由
- 第20回:ドルコスト平均法 損きり不要の理由
- 第21回:円安で焦るときのFX対処法
- 第22回:FXでのルール破りするときの考え方
- 第23回:低スワップポイント時代の対応
- 第24回:低レバレッジが大勝利の鍵
- 第25回:暴落相場で勝負できるための3つの要素
- 第26回:場帖・グラフ使ってドルコスト平均法をしたい方へ
- 第27回:円安インフレ時代への準備はできていますか
純ドルコスト運用法の運用ルール及び成績は以下のページにてまとめてあります。