「天井買わず 大底に買う」のための売買ルール 純ドルコスト平均法2015第11回
大底に買えたというのは一種の快感でもあります。それが誰にでも実現できるよう売買ルールに一工夫しました。
本間宗久の言葉より
皆が弱気の時は、心を転じ買いに入る。 〜本間宗久
この相場格言をご存知の方は多いでしょう。江戸時代の相場の神様「本間宗久」の有名な言葉です。「天井買わず 底売らず」とも言われ、相場の極意の一つともされています。とはいえ、裁量トレードでこれを実現するのは本当に難しいものです。でも、ドルコスト平均法ではこれが自然にできてしまいます。
ドルコスト平均法の仕組みが大底買いを可能とします。相場観に関係なく、毎月買い続けることができるからです。
これから大きく暴落しそうだと感じてはいても、毎月の積立をして買い続けるのがドルコスト平均法の基本なので、結果として大底を買うことも可能となります。
でもですね。
「大底で買えた」というのは後でわかるものです。
買う時点では、「まだまだ下がる可能性高いから気乗りしないよなぁ」という事が多いものです。そのため、躊躇して見送りにしてしまうこともよくあります。
不思議なもので嫌々積立をした月ほど、後からみれば安値で買えているものでもあります。こういう傾向を踏まえて、私の純ドルコスト平均法では売買ルールに以下の項目を入れています。
- 高値更新時:基本1倍 弱気0倍
- 安値更新・安値近辺時:基本4倍、弱気2〜3倍
これによって「天井買わず 底売らず」をさらに進めた「天井買わず 大底に買い」が誰にでもできる流れをつくることを理想としています。
「天井買わず」のための売買ルール
まずは「天井買わず」のための売買ルールです。
「高値更新時:基本1倍 弱気0倍」
豪ドル円が勢いよく上げている局面での買い数量を大幅に減らすためのルールです。ここでの高値更新時というのは以下のような状況を指します。
- 数ヶ月上げ続けて高値更新を続けて勢いづいている時
- 誰もが上がると思っている時
- 過去最高値を更新している時
豪ドル円の上げにはある程度の限界があります。冷静なときはそれはよく理解しているはずなのですが、勢いがついているときはそれが見えないものです。
見えなくても上記のような状況のときは、毎月の買いポジションを買い平均値に関係なく減らすのがこの売買ルールです。
全く買わずというのも有効なのですが、全体が大きく上げているときに全然買わないのは辛いときもあります。あまりストレスを溜めると変なところで爆発することもあるので、レバレッジ1倍程度であれば買ってよいことにしています。
「大底に買い」のためのルール
天井圏で買いを抑えるのも大変なのですが、それ以上に大変なのが大底圏で買いを入れていくことです。そこで勝負するためのルールがこれです。
「安値更新・安値近辺時:基本4倍、弱気2〜3倍」
下げ相場が数ヶ月続いた後など、全体の見通しが総弱気に偏るようなときが大体目先の底になることはよくあります。誰もが「豪ドル円は下がる」と感じているときなので、そういうときに買いポジションを入れるのにはちょっと勇気がいります。
このルールは、その時に背中を押す役割を果たします。今年も9月・10月にそういう時期がありました。
12月は、この辺からは大分上がってしまったのでレバレッジを減らして買う予定です。本日12月2日に12月分積立を実行予定としています。ここでレバレッジを減らしておくことで、今後の下げに備える意味もあります。
豪ドル円がここから崩れだす可能性も十分にあります。もしも、崩れだせば再度レバレッジを上げて買っていくことになります。
これら2つの売買ルールは、利益増加のために案外重要です。毎月積立をしている私自身、ちょっと迷ってもこのルールがあるお蔭で「今月はルール通りにやっておこう」という気持ちになれる効果があります。
でも、無理はしない
でも、「今月は無理」という気持ちのときも必ずあります。そういう時には無理はしません。積立だけにしておいてもよいし、恐る恐るレバレッジ1倍で買っておくというのでも構いません。
多分、その辺が底になることが多いはずです。
後でそれを確認して「ああ、やっぱりあそこが底だったのか」と思うことになるでしょう。そして、次回こそはしっかりやろうという気持ちもでてきます。その流れが、次回以降の成功へと繋がっていきます。
そんな経験をしていくことで、だんだんと理想的な積立ができるようになっていきます。
ドルコスト平均法2015 目次
- 第1回ドルコスト平均法での成功者が少ない理由
- 第2回ドルコスト平均法 上げ相場のメリット・デメリット
- 第3回ドルコスト平均法 下げ相場のメリット・デメリット
- 第4回ドルコスト平均法成功の肝 下げ相場の戦い方
- 第5回ドルコスト平均法 買い続けるための3ステップ
- 第6回豪ドル円大暴落 実は10年に1度だった
- 第7回運用資金増加と成功の道筋
- 第8回安全性の「要」 資金管理ルール
- 第9回ドルコスト平均法 2015年の成績状況
- 第10回FX大失敗 を防ぐ ドルコスト平均法積立ルール鉄則
- 第11回「天井買わず 大底に買う」のための売買ルール
- 第12回利益確定後の再投下資金 売買ルール
- 第13回ドルコスト平均法 初心者の方へ 最初の注意事項
- 第14回ドルコスト平均法 適正レバレッジに合わせて売買ルール変更
- 第15回利益確定のタイミング
- 第16回豪ドル円15円抜き 欲張りな利益確定の理由
- 第17回レバレッジ付定期外貨取引 円高に強い設定事例
- 第18回純ドルコスト平均法成功のポイント その1
- 第19回その2 大底圏を丁寧に拾えるドルコスト平均法
- 第20回その3 FX積立派ポジションは暴落で強くなる
- 第21回その4 レバレッジを変動させることで効果を上げる
- 第22回その5 個人差がでない誰でも成果が望める
- 第23回FX積立運用成功のための必要能力 それは「グリット」
この連載は、SBIFXトレードを使用した純ドルコスト平均法実践のためのコツやルール改良点などをまとめたものです。このドルコスト平均法運用の概要や運用状況は下記にてまとめてあります。