くりっく株365とCFD市場間サヤ取り CFD取引入門 第3回
日経225売買だけならくりっく株365も有利
前回、GMOクリック証券のCFD取引と株式投資で同じ売買をする際のレバレッジ比較をしました。私のようにサヤ取りでCFD取引を使うのであれば、GMOクリック証券のCFD取引はおすすめです。
ただ、「単純に日経225の売買をしたい」という方も多いと思います。
その際には、検討対象に入れる価値のあるのが「くりっく株365」です。取り扱い銘柄が3銘柄だけなのですが、なかなか魅力的な条件なのです。おそらく、読者の中で利用中という方も多いだろうと思います。参考までにご紹介しておきます。くりっく株365の「日経225」の取引条件概要は以下のようになっています。
- 1枚の証拠金6.3万円(2月第一週証拠金)
- 1枚の約定代金 約170万円
- レバレッジ 約27倍
- 配当相当額実績 25,376円
- 金利相当額 918円
- 売買手数料有 162円(岡三証券の場合)
GMOクリック証券CFD取引で日経225とほぼ同じ値動きをする「日本225」は最高レバレッジ10倍程度までなのですが、くりっく株365は約25倍ギリギリまでの取引ができます。
くりっく株365は、今回のように時折25倍を超えることもあるのですが、大体この辺が上限です。FXのスワップポイントと似ている「配当相当額」と「金利相当額」という仕組みも利用価値大です。
配当相当額というのは、買いポジションを保有し続けていると定期的に受け取れます。売りポジションの場合は逆に支払となります。逆に、金利相当額は、買いポジションの場合は支払いとなり、売りポジションの場合は受け取りとなります。
配当相当額の方が金額が圧倒的に大きいので、現状買いポジションを保有し続けると差引2.4万円相当の金額が受け取れることになります。
仮に、最低証拠金7万円で1枚の買いポジションを1年保有できたとすれば、相場が全く上昇しなくても2.4万円受け取れることになるわけです。とはいえ、7万円で配当相当額目的で買いポジションを持っても400円も下げれば強制ロスカットとなりますので、現実にはもっと余裕が必要なことは言うまでもありません。
でも、日経平均がこの先上昇するという見通しで長期保有していくのであればくりっく株365は魅力的な選択肢となります。
両建てで3月配当相当額狙いも悪くはない
参考までですが、3月は大きな配当相当額がでる月です。昨年は3月だけで+10,449円でています。100枚買いポジションを保有すれば100万円ということです。1年の配当相当額合計が2.5万円ですので4割くらいが3月単月で発生する計算となります。
この時期だけこれを狙うというのも悪くないですよね。
ちなみに、この配当相当額を受け取るには、1カ月ポジションを保有する必要はありません。配当相当額を受け取れる数日買いポジションを維持しておけばいいだけです。とはいえ、配当金がでた後は日経平均は下げやすい傾向もあります。
市場間サヤ取りも選択肢
そのリスクもヘッジするのであれば、市場間サヤ取りを使う手もあります。例えば、こんな感じです。市場間サヤ取りとは、別市場で同じ売買銘柄を両建てするというもので、FXのスワップポイントサヤ取りに似たやり方です。同じ銘柄の両建てなので、価格変動リスクをほぼゼロに抑え込んで利益が追求できるという特徴があります。
- 買い:くりっく株365 「日経225」
- 売り:GMOクリック証券 「日本225」
こうすることで仮にくりっく株365の「日経225買いポジション」で含み損が発生しても、GMOクリック証券の「日本225売りポジション」では含み益が発生するのである程度相殺できます。
日経225の価格形成がちょっと違うので「ある程度」という表現になります。全く同じ値で売買できるわけではないからその差額を計算してやる必要があります。
参考までに書いておくと、この両建てをするのであれば準備は1か月前くらいからした方がよいです。くりっく株365で3月の配当相当額が発生する今年の予定日は3月17日なのですが、この日が近づくと日経先物よりもくりっく株365日経225の値が常に数十円上になる傾向がでたりするのです。
これは、この差額を使って利益を出そうとする人が私以外にもいるからだと思われます。まあ、もしもこの差額が無ければ100枚のポジションを持っていればほぼノーリスクで1日で100万円受け取れることになるので誰もそれに気づかないという方が不自然だともいえます。
世の中には、こういうサヤ取りを得意にする人も結構いるんですよね。
ただ、CFD取引は市場間ゆがみがかなりあります。両建てでおいしい利益を得るチャンスが転がっているのも事実ですので、探してみるのも面白いですよ。
くりっく株365手数料は各社さまざま
くりっく株365は、取扱業者によって手数料がかなり違います。最安値業者としては、私がくりっく365でも使っている岡三証券あたりになります。
株式投資をする方は、手持ち株のヘッジとして日経225をツナギ売りするという戦略も有効です。株式でちょっと勝負したいというときには、現物株を買うよりもくりっく株365の方がレバレッジを効かせられる分だけ大きな利益も狙えます。
くりっく株365は、覚えておいて損のない投資商品だと思います。
CFD取引比較入門 目次
CFD取引比較のついての連載記事をまとめました。
- 第1回CFD取引を始める際に注意すべき事
- 第2回CFD取引と株式投資 レバレッジの違いと資金効率比較
- 第3回くりっく株365とCFD市場間サヤ取り
- 第4回CFD取引と株式取引 手数料比較
- 第5回配当金 VS 価格調整額どっちが有利
- 第6回[特定口座 源泉徴収あり」 株式投資税制の落とし穴
- 第7回CFD取引税金と米国債を今買うべきでない理由
- 第8回サヤ取りとしてのCFD取引利用法
- 第9回二国間サヤ取りのリスク
- 第10回GMOクリック証券CFD取引 注目している3銘柄
- 第11回コーンのうねり取り 絞り込むからこそ成功する
- 第12回逆張り・ナンピン 有利不利の目安
- 第13回レバレッジ1倍でも破産状態もあるCFD取引
- 第14回うねり取り場帖とCFD取引に役立つサヤの理解 2つの役割
- 第15回投資成功の重要ポイント
- 第16回うねり取りに好都合なCFD取引 2つの特徴
- 第17回外国株CFD 資金2倍にするシミュレーション
- 最終回時代の変化に対応していく者が生き残る
この連載はGMOクリック証券CFD取引を使用しています。